コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 朝、リビングへと足を踏み入れたルルーシュは、そこにスザクの姿がないことを訝った。いつもならば、テーブルの上に朝食を並べながら「おはよう、ルルーシュ」と微笑んでいるはずの時間帯である。・・・ひょっとして、寝坊か? いくら大学が休みだからといって気を抜きすぎだろう。ルルーシュは小さく溜め息を吐きながら、スザクの自室へと足を運び、扉を軽くノックする。「はい?」と確かな返事が返ってきて、ルルーシュは眉を寄せる。起きている。間違いなく。 「入るぞ?」 断りを入れてから、扉を開ける。ここで暮らし始めてから早1週間。他人のプライバシーを覗く趣味もないルルーシュがこの部屋に入るのはこれが初めてだった。――そして、ルルーシュはそれを心から後悔することとなる。扉を開けた先、朝だというのにカーテンが閉め切られて暗い室内は、それこそ足の踏み場もないという形容詞がぴったり合うほどに、散らかっていた。脱ぎ捨てられた服の数々に、プリント、本、ノートといった文房具。唯一の救いは、そこに食べカスやペットボトルといったゴミと分類されるものがなかったことか。一瞬、くらりとしかけたルルーシュだったが、背中を向けていたその部屋の主がくるりと振り返ったのを見遣り、慌てて意識を持ち直す。どうやらパソコンに向かっていたらしいスザクは、そんなルルーシュを見て心底不思議そうに首を傾けて、言った。 「あれ? どうしたのルルーシュ、こんな時間に・・・」 「こんな時間って・・・今を何時だと思ってるんだ」 「え?」 きょとん、としながら、彼はパソコンのディスプレイで時間を確かめて、そのまま固まった。何度となくディスプレイの時間を確かめてから、ぎくしゃくとルルーシュのほうへと顔を向ける。 「・・・・・・ひょっとして、もう朝?」 「ひょっとしても何も、とっくの昔に朝だな」 「うわー、嘘。またやっちゃったよ・・・」 「・・・ちょっと待て。お前、もしかして寝てないのか?」 「え? あー・・・うん、まぁ・・・」 バツが悪そうに頬を掻きながら、スザクは苦笑した。「うん、まぁ」じゃない。昨晩、「おやすみ、ルルーシュ」と微笑んだお前はなんだったんだと問いたい。睡眠が人間にとってどれだけ大切かなんて、人間ではないルルーシュでも知っていることだ。それなのに、この男ときたら時間も忘れて徹夜をしていたという。しかもまた、という単語から察するに、一度や二度じゃない。ひくひくとこめかみが引き付くのを感じつつ、ルルーシュははっとしたように部屋を出て行こうとするスザクの腕を掴んだ。 「どこへ行くつもりだ?」 「へ? どこって、朝食を作りにキッチンへ・・・」 「いい。朝食は自分で作る。それよりお前は寝ろ」 「で、でも、課題が・・・それに昼過ぎからバイトもあるし・・・」 「いいから寝ろ?」 「・・・・・・はい」 にっこりと笑ったルルーシュの顔を見て、スザクの顔が微妙に引き攣る。すごすごとベッドへ向かうスザクになんとなく達成感を覚えながら、ルルーシュは散らばった服を拾い始めた。「ルルーシュ?」不思議そうなスザクの声に顔を上げ、ルルーシュはふっと表情を和らげる。 「安心しろ。バイト前にはちゃんと起こしてやる。・・・それと、お前には悪いが留守中にこの部屋は掃除させても貰うぞ」 「え、そんな・・・悪いよ。この休日でまとめて片付けようと思ってたんだし、ルルーシュの手を煩わせることなんて・・・」 「お前に拒否権はない」 にっこり。再び見せた極上のスマイルに、スザクの顔からさっと血の気が引いた。まるで錆びたからくり人形のようなぎこちない動作でシーツを手繰り寄せ、ベッドへと潜り込む。「おやすみ、ルルーシュ」昨晩聞いたものとまったく変わらないセリフを吐き、スザクは微苦笑と共にルルーシュを見つめる。ルルーシュはそんな彼の顔をちらりと一瞥し、深々と溜め息。「おやすみ、スザク」昨晩返したものと同じものを紡ぎ出す。嬉しそうに目許を和ませたスザクが瞼を下ろしたのを確認し、ルルーシュは回収した服を片手に、洗濯機へと向かった。 ―――――― 多分、洗濯機を回し始めてからもう一回溜め息を吐くであろうルルーシュ殿下(笑) リビングは人を通すことがあるし、ルルーシュもいるので割と綺麗です。 汚物(失礼)は全部自室に押し込んじゃえ! っていうのが、スザクの思考。 PR この記事にコメントする
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