忍者ブログ
コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ


×

[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。

Thanks for:hazy

わたしの執事、ぼくのお嬢様シリーズ。スザルル♀。婚約者if。


カップリングなりきり~にてこそっと話した婚約者ネタです。
許可が出たので書いちゃいました(笑)
ルルーシュ高一の15歳。スザクは26歳。要するにスザクの誕生日のあと、ルルーシュの誕生日前の話。


なお、非常に申し訳ないのですが、イベント原稿のためにしばらく潜ろうと思います。一応5月の半ばぐらいに一度浮上したいです。
・・・まぁ、そのあと今度はAHLの原稿があるのでまた潜ることになりそうですが(滝汗)
そんなわけで、30000HITの少女騎士連続更新はちょっと見送ってます。
一度浮上したときから始めるか、ふたつのイベントが終わって落ち着いてから始めるかで悩んでますが、皆さん的にはどっちがいいですか?(笑)

せっかくのGWなので、潜っている最中も小ネタぐらいは投下できたらいいな、とは思ってますが・・・すべては原稿の進み具合によるってことで、よろしくお願いします。




『大きくなったら、スザクと結婚する』


10歳の頃、母とスザクの目の前でそう宣言したルルーシュの気持ちに、嘘はなかった。母には盛大に爆笑されたし、スザクはどこか焦っていたけれど、そのときの言葉はルルーシュにとっての真実だ。スザクはずっと、ルルーシュの王子様だった。最初にルルーシュをお姫様だと言ったのは彼のほうだったけれど、それなら王子様はスザクかと問いかけた自分に、彼は騎士になりたいと答えたのだ。「僕は、ルルーシュを護る騎士になりたいな」そう言って笑ったスザクに、いやだと駄々をこねたのはルルーシュである。「スザクは王子様! そうじゃなきゃやだッ!!」宥めようとするスザクの腕の中で散々そう泣き喚いたルルーシュの声が聞こえたのだろう。いつもは幼い双子に付きっ切りの母まで飛んできて、なにがどうしてそうなったかはあまりにも幼い頃の記憶なので曖昧だが、結果としてスザクはルルーシュの王子様になった。そしてそれ以来、ルルーシュの王子様の位置にはずっとスザクがい続けているのである。

だから、10歳のルルーシュがスザクと結婚したいと思うのも当然のことだ。実際のところ、ルルーシュがスザクとの結婚を考え始めたのはその前からだったし、そのときはなんの疑いもなくそうなるだろうと信じていた。だが、大学二年になったスザクの口から、カレンという聞いたこともない女の名前が飛び出したことによって、事態は急変した。話の流れから、カレンという女性はスザクの中高の同級生で、学部こそ違ったが同じ大学に進んでいたことが最近判明したらしいことがわかった。「中高通して6年間同じクラスだったので存在は知っていたんですけど、当時は話したこともあんまりなくて・・・久々に再会して話してみたら妙に馬があっちゃったんですよね」と母相手に笑うスザクの様子に恋愛類の雰囲気は一切なく、本当に彼女を友人としか思っていないことは当時のルルーシュにもよくわかった。だが、そこにきて初めて、ルルーシュは自分とスザクの間に立ち塞がる10歳という年の差を自覚するに至ったのだ。

それまで、スザクの口から女性の名前を聞いたことがなかったから意識していなかったが、スザクの周りには彼と同年代の女性がたくさんいるのである。しかも、スザクは格好いい――と、当時のルルーシュは思っていたし、今もその考えに変化はない――のだ。他の女が放っておくわけがない。スザクは確かにルルーシュの王子様だったが、まだルルーシュだけの王子様ではなかった。ただ漠然と思っているだけではスザクと結婚なんてできない。その結論に至った当時のルルーシュの行動は早く――つまりは、スザクと結婚の約束を取り付けることを思い付いたのである。

そして、現在15歳のルルーシュは、またもや不安に苛まれていた。スザクと結婚すると宣言した10歳のあの日。最初こそあの手この手でルルーシュの考えを改めさせようとしていたスザクだったが、「スザクは、私のこと、嫌い・・・?」という半ば卑怯ともいえる言葉に折れたのか、母であるマリアンヌの援護射撃が効いたのか、最終的にはその結婚の約束を受け入れてくれて。


『・・・・・・わかった。じゃあ、こうしよう?』


そのときに言った彼の言葉。


『ルルーシュが16歳になるそのときまで――――』


そのあとに続く言葉を、ルルーシュはどうやっても思いだせずにいる。


(16歳になったら、一体なにがあるんだッ!?)


16歳の誕生日まであと一ヶ月、ルルーシュの不安は限界にまで達していた。そして、その不安を解消する術を、ルルーシュはひとつしか知らない。


「スザクっ」
「うわっ、と・・・」


キッチンで夕食の準備をしているスザクの背中に抱き付いて、今日こそは、とルルーシュは思う。スザクが26歳の誕生日を迎えた辺りから、ずっと訊こう訊こうと思っていた、あの日の約束の続き。だけど訊けないままずるずるとここまで来てしまって・・・とうとう誕生日も一ヶ月前だ。そろそろはっきりさせておかなければならないだろう。


「ルルーシュ・・・料理しているときは危ないでしょ?」
「・・・・・・・・・」
「? ルルーシュ?」


訝しげな声に答えるように、抱き付く腕に力を込める。大きな背中に顔を埋め、しがみつくようにその胸へと手を回したルルーシュになにかを感じ取ったのだろう。スザクは鍋の火を止めて、ぽんぽん、と宥めるようにルルーシュの手を撫でた。「どうしたの、ルルーシュ。なにかあった?」優しい問いかけに、ルルーシュはゆるゆると腕の力を弱め、スザクが振り返るのを待つ。振り返った彼の指先がそっとルルーシュの髪を梳いていき、その感覚に勇気付けられるようにして顔を上げたルルーシュは、自分の顔を覗き込む翡翠の瞳を真っ直ぐに見つめて、口を開いた。


「・・・その・・・私と、お前の関係って・・・」
「え? えーと・・・一応、婚約者、だよね?」
「・・・っ、い、一応!? 一応ってなんなんだ、一応って!!」
「だってルルーシュ、まだ16歳になってないでしょ?」


16歳――やっぱりそこになにかがあるのか! さっと青くなったルルーシュを見て、きょとんとしていたスザクはなにやらピンときたらしい。「ひょっとして、覚えてないのかな」苦笑しながらルルーシュの頭を撫で、彼はいつもと変わらない穏やかな声で、言った。


「君が16歳になるそのときまで」


――ルルーシュが16歳になるそのときまで。


記憶の中のスザクの声と、今のスザクの声が、重なっていく。


「君の中の王子様が僕のままだったら」


――ルルーシュの中の王子様が僕のまま変わらなかったら。


「あ・・・」
「思い出した?」


悪戯っぽく微笑んだスザクの言葉に、ルルーシュはこくりと頷く。そうだ。あのとき、彼はこう続けたんだ。


――そのときは、この約束を本物の約束にしようね。


当時のルルーシュは、約束に本物も嘘もないだろうと思っていて、その意味がよくわからなかった。だから、記憶にもあまり残っていなかったのだろう。だけど、今ならわかる。スザクは多分、ルルーシュに逃げ道を用意してくれていたのだ。申し込んだ側からしてみればふざけるなと言いたいところだが、10歳の子供に結婚の約束を取り付けられて、本気にする大人はいない。ルルーシュだって、今10歳も年の離れた子供に同じことを言われてもおそらくは本気にしない。それどころか、可愛い子供の戯言だと思って流すことさえ考えられる。そういう意味では、スザクは実に誠実に答えてくれたのだろう。当時のルルーシュの本気をきちんと受け止め、その上で「心変わりしたらいつでもこの約束はなかったことにできるからね」と言ってくれていたのである。まぁ、どっちにしろ、心変わりすると思われていたという事実に変わりはないので腹立たしいことこの上ないが。


「・・・私の王子様は、いつだってお前以外ありえない」
「まだ一ヶ月あるんだから焦らなくてもいいよ?」


くすくすと笑うスザクは、おそらくルルーシュの気持ちを知った上でからかっているのだろう。・・・それとも、約束を忘れていたことに対する仕返しか。


「10年以上変わらなかったんだぞ。今更、たかが一ヶ月で変わるわけがない」


きっ、と睨み付けるルルーシュに、スザクは一瞬だけ虚を衝かれたような顔をして、それからはにかむように笑った。「うん、そうだね」と紡がれる声がひどく甘みを帯びている気がしたのはその直後。スザクの手が、ルルーシュの左手をゆっくりと掬い上げるのさえ、どこか夢心地で。


「じゃあ、今年の誕生日には婚約指輪を準備しなくちゃね」


するり、と薬指の付け根を撫でていく指先に、一気に頬へと熱が集中した。


「こ、こここ婚約指輪っ!?」
「うん、そうだけど・・・あれ? ひょっとしてほしくない?」
「ほ、ほしいに決まってるだろう!」
「よかった」


にっこりと微笑むスザクの顔を見ていられなくて慌てて顔を伏せながら、ルルーシュの心は、確かに幸福感に満ち溢れていた。


――――――
思いっきり甘くしたつもりです。
にしても・・・回想を入れた所為でものすっごく長くなったなぁ。

マリアンヌさんが生きているとなにが違うって、スザクが無理に大人ぶらなくていいってところが違うんですよね。
執事スザクは16歳にして3児の父(笑)になってしまいましたが、こちらではちゃんと彼も子供として過ごしているんです。
ひとりで色んなことを抱えなくてもいいので心にもゆとりがありますし、なにより高校も大学も卒業しているんです!(笑)
マリアンヌ母様はとっても偉大なんですッ!!

一応、この作品はゴーサインを下さった悠様に捧ぐつもりで書きました(笑)

拍手

PR
この記事にコメントする
Name :
Comment :
 
05/13
こんばんは。
仕事が忙しくて中々覗きにこれなかった間に、素敵な小説が~~
やっぱりマリアンヌさんがいるifの方が、スザクがルルと本当の恋人(この場合は婚約ですしたが)になるのが早いですね。
早速虫除けつけようとしてるし、
虫駆除余念がなさそうです。
実は今までも密かに駆除してたりしたんでしょうか(笑)
こんにちは、お返事遅くなってすみませんっ!
せっかくお仕事の忙しい中来て下さったというのに・・・!

そうですねー。本当にマリアンヌお母様の存在は偉大です(笑)
16歳っていう結婚できる最低限の年齢までしか待たない辺りにスザクの独占欲が見え隠れしています、実は・・・。
普通の紳士だったら最低でも高校卒業までは待ってくれるよね、っていう!(笑)
なので、これまでは一応害虫駆除はしていないつもりです。
あ、でもこのスザクは執事スザクよりも爪が甘そうなので、ルルーシュが他の男といるのを見てうっかり牽制しちゃってから「やっちゃった・・・」って自己嫌悪するタイプかもしれません(笑)
ルルーシュが16歳になって、堂々と虫除けをプレゼントできるのでスザクはご満悦じゃないかと・・・。
05/18


material by アルフェッカ

忍者ブログ | [PR]
 
カレンダー
10 2024/11 12
S M T W T F S
1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
カウンター
メールフォーム
最新CM
[10/22 sora]
[05/13 悠]
[03/01 音音]
[10/16 朝倉斐滝(管理人)]
[10/15 NONAME]
ブログ内検索
最新TB
プロフィール
HN:
朝倉斐滝
性別:
女性
バーコード