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コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ


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Thanks for:選択式御題

輪廻シリーズ。スザルル。


ナナリー&ロロの誕生直前。


倉庫のほうは今のところ倉庫撤去が優勢です。
ご意見はまだまだ募集中!

そして、どうでもいいことですが、今更コメントに「返信」という機能があることを知りました。
・・・普通にコメント打ってたよ・・・っていうかもっとちゃんと管理ページを見るべきでしょう自分!(馬鹿)




人の顔を見ていきなり泣き出した相手がなんの違和感もなく自分の隣にいるというのは、なかなかに不思議な感じだ。ちょこんと座っている隣の家の少年をじっと見遣り、ルルーシュは心底そう思った。当然のように傍らにいる存在。そして、それを当然のように受け入れている自分。――ルルーシュは、自分が人より警戒心の強い子供だということを知っている。その自分が、自然に受け入れて馴染んでしまった他人という存在は、おそらくこの少年だけだ。それを不思議には思うものの、嫌悪感や拒否感といったマイナスの感情は一切ない。それどころか・・・。


「ルルーシュ。君、また難しいこと考えてない?」


それどころか、彼といるのはひどく居心地がよかったのだ。くすくすと笑いながら、「ここに皺がよってるよー」とルルーシュの眉間を解すように撫でる指は温かくて心地いい。その手は自分と大して変わらない大きさなのに、自分のものとは比べものにならないぐらいしっかりとしていた。鍛えてるんだよ、と照れたように言う彼の手を、ルルーシュはわりと気に入っている。・・・まぁ、だからといって、眉間を撫でられて素直に黙っているかといえば、それはまた別の話だ。


「触るなっ」
「えー、いいじゃない。減るもんじゃないし」
「減る。スザクが触ったらなにかが減る気がする」
「なにそれ」


明らかに態度の悪いルルーシュに、スザクは怒らない。ただ、楽しそうにくすくすと笑うだけだ。途端、ルルーシュはバツが悪くなってしまって、今度は意識して眉間に皺を寄せた。元来、人から大人っぽいだのしっかりしているだの言われるルルーシュだが、なぜか彼に対してのみ、こうして子供っぽい態度を取ってしまうことが多々ある。


「・・・なんでスザクといるとこうなるんだ」
「なにが?」
「お前といると俺の精神年齢が下がる」
「精神年齢って・・・随分難しい言葉使うよね、5歳児のくせに」
「同い年のお前に言われたくない」


むっとして睨み付けると、スザクは少しだけ困ったように笑った。・・・またこれだ。スザクは、普段は呆れるぐらい子供らしいのに、ときどき不安になるほど大人らしい一面を覗かせるのだ。それは言葉の端々や、表情のひとつひとつに隠されていて、それを見つけるたびにルルーシュは苛立たしい焦りに見舞われる。だけど、自他共に認めるとおり、自分はまだ子供で、その焦燥がどこから来るものかわからないのだ。だからルルーシュは、その訳のわからないものに蓋をして、気付かないふりをしたまま、子供扱いされたことに腹を立てているような顔で、続けた。


「そういうことじゃなくて、俺はもう兄になるんだぞ? いつまでも子供っぽいままじゃいられないだろう」
「あぁ、そういうこと。ルルーシュならきっといいお兄さんになるだろうね」


にこり、と微笑まれて、ルルーシュは少し嬉しくなる。ここに越してきたばかりのときはまだ目立たないほどだった母の腹部は、今ではもうすっかり大きくなった。最初こそ母の腹に新たな命が宿っているとは信じられなかったルルーシュも、耳を当てて胎児の胎動を感じることができれば信じざるを得ない。それと同時に芽生えた兄としての自覚は、この小さな命にとって自慢の兄になりたいという願望をルルーシュに抱かせた。それをスザクに話したことはないのだが、汲み取ったように放たれた言葉はルルーシュの気分を持ち上げるには充分すぎる。


「君の妹ならきっと可愛いんだろうな」
「残念だったなスザク。生まれてくるのは双子だし、妹だとは限らないぞ。それに、もし妹だったとしても絶対お前にはやらん!」
「や、別に貰おうなんて言ってないでしょ。君は兄じゃなくて父にでもなるつもり? ・・・っていうか双子??」
「あぁ、これは母上から聞いたことだから間違いない」
「――そっか。僕はてっきり・・・」


――ナナリーかと。


ぽつりと零された言葉は、人の名前のようだった。ルルーシュは小首を傾げながら、その名前を心の片隅に刻み込む。何事か考え込んでいるスザクに問うても、はぐらかされることは確実で、だからこそルルーシュはあえて沈黙を選んだ。思考に沈み込んだスザクは隙だらけで、下手にそれを邪魔するよりも黙っていたほうが彼の失言を誘えるかもしれないという打算もあり――果たしてそれは成功した。


(・・・『らら』・・・いや、『ろろ』、か・・・?)


小さく動いたスザクの唇は、音こそ為さなかったものの、確かに何かを呟いたのだ。だが、残念ながらそこまでだった。はっと我に戻ったスザクはルルーシュを見て誤魔化すように笑みを浮かべて、繕うように口を開いた。


「いきなりふたりも増えるなんて賑やかになりそうだね」
「・・・・・・あぁ、そうだな」

(お前は、何を隠している?)


答えないと知っていたから、ルルーシュはただじっとスザクの顔を見つめた。優しくて、でも誰もその内面へと踏み込ませてはくれない微笑みを浮かべた、その顔を。





――生まれた双子は性別違いの妹弟で、ルルーシュの母であるマリアンヌによって、それぞれ女の子のほうはナナリー、男の子のほうはロロと名付けられた。


――――――
ナナリーとロロはついつい双子にしてしまいます(笑)
ちなみにマリアンヌ母さんは旦那(おそらくシャルル陛下)とは離婚しています。
なのでランペルージ家は母子家庭!

そして、個人的に重要だと思うのは、ルルーシュやスザクが名付けたのではなく、何も知らないマリアンヌ母さんがふたりの名前を考えたという点。
付けられるべくして付けられた名前、というのが重要なんだ!(と、声を大にして言ってみる)

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Comment :
 
10/22 sora
面白かったです。っていうかルルもスザクもやっぱり大人っぽいですね・・・5歳児なのに。
・・・母子家庭なんですか・・・。ルルはマリアンヌ母さんの手伝い頑張ってそうですね・・・想像できすぎて逆に笑えます・・・これからの展開が楽しみです。
―――・・・長々と失礼しました^^;
5歳なのに大人っぽい・・・確かに・・・(笑)
で、でも、ほら! スザクは見かけは子供でも、中身はほにゃららですから!
ルルーシュのほうも頭がいいだけですよ、多分。
・・・・・・のちのロロ&ナナリーの5歳を見ると、やっぱりふたりは大人っぽすぎると思いますが(苦笑)
ちなみに、ルルーシュの主なお手伝いは、幼い弟妹の世話だと思います(笑)
これからの展開は・・・き、期待しないで待ってて下さい!(期待してて下さいとは言えない小心者)
10/24


material by アルフェッカ

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