コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 女の子に呼び出されて教室を出て行く幼馴染みを、ルルーシュはぼんやりと見送った。高等部に進学して2ヶ月ほどが経ち、スザクはちょくちょくと女の子から告白を受けるようになっていた。穏やかな性格といい、優しい笑顔といい、整った童顔ともあいまってスザクの人気は高いらしい。らしいというのは、この情報がすべて――。 「あー、スザクはまた呼び出しか~。今月に入ってもう5回目だぜ」 ――今ルルーシュの隣へとやってきたこの少年からもたらされたものだったからだ。中等部の頃からの友人であるリヴァルは、こういったルルーシュから言わせればどうでもいい情報にはこと欠かない。そのリヴァルから言わせると、人気という点ではルルーシュもかなり高い部類に入るらしい。ただ、中等部の頃からこのアッシュフォード学園内で「近寄りがたい高嶺の花」というイメージを持たれているルルーシュに、高等部へ上がったからといって今更告白してくる女子がいないだけ、だとか。 それに比べ、スザクは高等部からの外部受験。中学3年の夏休み、いきなりアッシュフォードを受けると言い出したときには無謀だと思ったりもしたものだが、スザクはどこまでも本気だったし、ルルーシュ自身、彼と同じ学校に通うことがいやなわけもなく、結局は受験対策としてみっちりと勉強を教え込んだものだ。 「なぁ、ルルーシュって高等部に入る前からスザクと友達なんだろ?」 「あぁ。まぁ、いわゆる幼馴染みというやつだな」 「じゃあさ、スザクって昔っからああなのか? なんか自分より他人、って感じでさぁ・・・あんな性格じゃあ、色々と損とかしてそうだよなぁ」 僅かに心配を含んだようなリヴァルの言葉に、ルルーシュは思わず沈黙した。「ルルーシュ?」訝しげな声に名前を呼ばれて、「いや・・・」と小さく首を振る。そうやって思い出すのは、スザクが変わった日のこと。――去年の、スザクの誕生日のことだ。 それまでのスザクは、一人称も俺だったし、口調も乱暴で、穏やかさとはまるで無縁な性格だった。それは、スザクが15歳の誕生日を迎えるまでは変化の兆候すらなかったと断言できる。枢木神社の神主を務めるスザクの父は何かと多忙な人で、毎年彼の誕生日はルルーシュの家で過ごすのが通例となっていた。妹のナナリーと一緒にケーキを焼いて、いつもより豪華な食事を振舞って、ランペルージ家の輪の中でスザクが楽しそうに笑う。それがそれまでの誕生日の光景だった。・・・だが、去年の夏だけは違った。枢木の家の用事で、スザクがルルーシュの家に来られなくなったからだ。スザクは面倒臭そうにしていたが、次期跡取りとして家の用事をないがしろにするわけにはいかない。結局、ランペルージ家での誕生日パーティーは後日に回すこととなり、「明日連絡するな」というスザクの言葉にルルーシュは「待ってる」と返して、その日は別れた。だが次の日、どんなに待ってもスザクからの連絡はなく、実家である枢木神社へ行っても床に臥せってるとの答え。それから一週間、ルルーシュはスザクと会うことも連絡を取ることもできず――ようやく会うことができたときには、彼はもう今のような性格になっていた。 「昔はもっと乱暴で・・・今とは正反対の性格だったよ」 「へぇー、人って成長するとそんな変わるもんなんだなぁ」 成長? たかだか一週間で起こった変化が成長だと? リヴァルの言葉には頷かず、ルルーシュはただ黙ってスザクの出て行った扉を見つめた。 (あのとき、お前に何があったんだ?) 聞きたくて、だが、聞いたらすべてが終わってしまうような気がして聞けなかった。その疑問はいまだにルルーシュの中で燻り続けている。どんなに口調が、纏う雰囲気が変わろうとも、スザクはスザクだ。強がりでもなく本気でそう思っているし、信じている。・・・だけど、それでも胸の奥で何かが叫んでいる。このままでいいのか。何かを見落としていないか。――手遅れになっていないか、と。その自問に答える術をルルーシュは持っておらず、得体の知れない不安感に、心だけがざわつき続けていた。 ―――――― ルルーシュは何も知りませんが、それでも何かしらは感じてます。 何も知らずに告白してOK貰って浮かれてる痛い子じゃないのよっ! っていう話(笑) PR この記事にコメントする
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