コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 昔から、枢木スザクは優等生だった。成績は常に上位をキープ、運動神経は抜群で、品行方正。教師からの信頼は厚く、おまけにあの容姿とくれば、注目されないわけがない。彼の周囲には絶えず人が集まったが、初めに友人というカテゴリーに名を連ねたのは自分だったとリヴァルははっきり断言できる。 柔らかい物腰とは裏腹に、スザクの警戒心の強さは半端ではなかった。他人相手に距離を取るのは当たり前。輪の中心にいるときでさえ、どこか一歩引いているようで。――そんな彼が時折見せる、迷子の子供のような表情にリヴァルが興味を持った。多分、それが始まりだったのだ。 (いや、なんつーかさ。アイツはなーんか放っておけない雰囲気があるんだよな、うん) そう自分の行動を考察するリヴァルだが、実際にスザクをかけがえのない友人だと思ったのは割とあとになってからだった。スザクのリヴァルに対する壁が大分薄くなり、バイトの休みであれば遊びにも付き合ってくれるようになった高二の終わり頃。一度も夜の街へ繰り出したことがないというスザクを、初めて夜遊びに誘った。最初こそ渋ったスザクだったが、「なにごとも経験だろ、経験!」というリヴァルの言葉に説得されたのか、最終的には苦笑しながらも頷いてくれて――まさかそれが、あんな事態に発展するとは夢にも思わなかったのである。まぁ、確かに、今思い返してみれば、あの行動は軽率だったとしか言いようがないのだろう。だが、当時は夜遊びなんて特別自分達だけがやっていたことではなかったし、その頃のリヴァルはスザクの家庭事情など欠片も知らなかった。そしてなにより、運が悪かったのだ。たった1回。そのたった1回の夜遊びを、生活指導の教員に見つかるなんて・・・。 幸い、スザクは妙な喩えだが初犯だったし、今までの行いのよさから大した問題にはならず、口頭注意だけで済まされた。代わりにリヴァルのほうが「優等生を悪い道に誘うんじゃない」とこってりと絞られることになったのだが、概ね事実だったし、そこらへんは自業自得だと思うことにした。――が、スザクのたった1回の夜遊びを問題としたのは、むしろ彼の後見人である叔母夫婦のほうだったのだ。 (あれは・・・ひどかった) 今でもそのときのことを思い出すと、リヴァルは思わず眉を顰めてしまう。学校から連絡を受けてやってきたらしい彼の叔母は、リヴァルや他の教員達の前でこれ幸いとスザクの素行についてケチを付け始めたのだ。今回の夜遊びのことから始まり、バイトのこと、学業のこと、生活のこと・・・と続き、しかもそのすべてが自分達が学費を出してやっているのに、という点へと帰結する。「これ以上、私達に恥をかかせるような行動を謹んで下さいね、スザクさん」最終的にそう締め括られたそれらは、傍らで聞いているだけのリヴァルでも胃がむかむかしてくるような中傷だったのに、その悪意を向けられた当の本人であるスザクは、ただ黙って、すべてを受け入れていた。 ――リヴァルは、悪くないよ。 その騒動のあと、謝罪したリヴァルにスザクはそう言って微笑んだ。あんな大事になったのも、元はといえば渋っているスザクを半ば無理矢理夜遊びに誘い出した自分の所為だ。でも、スザクは一度だってリヴァルを責めようとはしなかった。「確かに君に誘われたことだけど、最終的に行くと決めたのは僕自身だ」きっぱりとそう告げた翡翠の瞳に嘘はなく、リヴァルはそのとき初めて、あぁ、こいつとは一生友達でいたいな、と思ったのである。 そして、リヴァルは現在、そんな一生涯の友人であるスザクの初恋の人に会うべく、彼の住むマンションへとやって来ていた。なんでも諦める癖のついているスザクが、初めて焦がれた人。どんな人か気になるのは当たり前だし、できれば上手くいってほしいとも思う。そのためになら、一肌でも二肌でも脱いでやる心意気だ。・・・まぁ、もっとも、恐ろしいほど人間関係に対して臆病なスザクは、リヴァルがそんなことを考えていると知ったらまず恐縮するだろう。きっと彼は、その想い人に好きになってほしいとは思っていないだろうから。 (でもさ・・・そんなのって、寂しいだろ?) スザクは、人に多くを望まない。付き合いの長いリヴァルにさえ、未だにバイトのこと以外で頼ったことがないぐらいだ。そんな彼が、好きになってもいいかと問いかけたこと自体が快挙なのだ。スザクからそれを聞いたとき、表には出さなかったが、リヴァルはかなり驚いた。そこのところ、彼の想い人にはちゃんと理解してほしい。 (とにかく・・・そのルルーシュさんがスザクのことをどう思っているかってことが重要だよな) 今日、スザクがバイトで留守にしていることは、そのバイトを紹介したリヴァルが一番よく知っている。同居しているという彼の想い人と話をするには絶好の機会だろう。スザクの部屋の前で大きく深呼吸して、インターフォンを押した。「はい」と中から応じる声がして、一瞬だけ、あれ、と思う。だがすぐにはっとして名乗れば、「今、開けます」という返事があって、やっぱり首を傾げる。今の声、どことなく低かったような・・・? がちゃり、と開かれた扉から姿を現したのは、目が覚めるような美人で。 「・・・え? あんたがルルーシュさん?」 「は? あ、あぁ、そうだが・・・なんで俺の名前を知ってるんだ?」 ただひとつのイレギュラーは、その美人の性別が男性だったことだ。 ―――――― スザクは一度もルルーシュが男性だなんて言ってない(笑) ただ、スザクとリヴァルの友情のために言っておきますが、別にそれは隠していたわけじゃないんですよ。 女性とか男性とか、そういう意識がなかっただけで、リヴァルがどこかで一度でもルルーシュを女性だと思っている節を見せたらちゃんと否定していたと思います。 まぁ、残念なことに、リヴァルのほうもルルーシュを女性だと思っているなんて一度も言ってませんので(当たり前)このようなことが起きてしまった、と(笑) リヴァルがスザクを好きすぎますが、あくまでもふたりの間にあるのは友情です!(きっぱり) PR この記事にコメントする
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