コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。 枢木スザクという男は、変わった人間だった。 「僕と一緒に暮らしてほしい」 すべての事情を話し終え、再度スザクに願いごとを言うよう促すと、彼は少しだけ悩んでから、にっこりと微笑んでそう言った。悪意も裏もなさそうな笑顔に一瞬ぽかん、としてそれから大いに眉を顰める。あまりにも予想外な回答すぎて、そこにどういう意図があるのか読み取れない。邪気の欠片もない顔をじっと見遣り、それからスザクの全身を上から下までまじまじと眺め、ルルーシュは口を開いた。 「それは・・・どういうことだ?」 「え? どういうって、そのままなんだけど・・・」 「いや、だから・・・一緒に暮らしてどうするんだ? まさか夜伽の相手をしろとでも言うつもりか?」 胡散臭いものを見るかのような目でスザクへと視線を向ければ、彼は心底驚いたように目を瞠って、ばたばたと手を振ってそれを否定した。外見上は好青年に見えても、あんな変なことを願う奴だ。その心中で何を考えているかまではわからない、とルルーシュは思う。警戒を解かないルルーシュに、スザクは小さく苦笑して、続けた。 「そういうんじゃなくてね、ただ、本当に一緒に暮らしてほしいだけなんだ。ただ、一緒にご飯を食べて、おはようとかおやすみとか挨拶して。・・・帰ってきたときに、おかえりとかただいまとか言いあえる相手がいるのってすっごく素敵なことだよね。そういう相手に、君がなってくれたら嬉しい。――それが、僕の願い」 にこりと微笑んだその顔が、少しだけ寂しそうに見えて、ルルーシュは沈黙する。そんなことは精霊に願うものではないだろう、という言葉は出てこなかった。スザクの言葉も、わからないでもない。母を失った記憶を持つルルーシュは知っている。そうやって同じ時を過ごせることがどれだけ尊いことなのか。・・・知っているからこそ、ルルーシュはナナリーを助けたスザクにわざわざ会いに来たのだし、その願いを軽く扱えない。 「それに、この部屋ってひとりで住むには広すぎるしね」 ルルーシュの沈黙をどう取ったのか、スザクは付け加えるようにそう続けて笑った。それから、はたと気付いたように眉尻を下げて、問う。 「それとも、こういう願いは駄目だったかな?」 「いや・・・」 小さく首を振りながら、ルルーシュはスザクをじっと見つめる。不思議そうに首を傾げているこの男はナナリーの命の恩人だ。ナナリーから、優しくて心の温かい青年だったと聞いていたから、そんな欲深いことは願わないだろうとは思っていた。だから、予想として間違っていたわけではない。・・・まぁ、確かにかなりの変化球ではあったが。それに、自分は言ったのだ。どんな願いでも叶える、と。だったら、その約束を違えてはいけない。 「これからよろしく頼む、スザク」 ふっと表情を緩めると、彼はほっとしたように目許を和ませて、それから本当に嬉しそうに笑った。 ―――――― 本当は前回のと続いて一本の予定でした。 だけどあまりにも前回のが長すぎたので急遽分けた結果がこれです。 逆に分けてよかったかなーと思わなくもない(笑) PR この記事にコメントする
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