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コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ


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Thanks for:hazy

少女騎士シリーズ。ルルスザ♀。


二ヶ月ぶりの少女騎士です。
本当はちょっと長編っぽいのに手を出そうかと思っていたんですが、今回はいつも通り短編で。
少女騎士はちょっと続けて書きたいネタが2本ぐらいあるんですよねー。
短編じゃあ、絶対消化できないので「○○編」とか銘打ってやりたいもんです。
次回か・・・その次ぐらいから(笑)

今回は高校で男女逆転祭!
いやー、ずっと書きたかったんですよー。少女騎士で逆転!
♀バレ前で、唯一スザクの女の子姿が見れるので(笑)




女の子ってすごい。スザクは、自分も生物学上では女として分類されることを忘れて、そう思った。


(足がすーすーする・・・)


さして冷たくもない空気が、曝されている太股に触れて、スザクは思わず頬を引き攣らせた。自分の足を、ここまで頼りなく思ったのは初めてだ。女の子はいつもこんな思いをしているのかと考えると、それだけで尊敬に値する気がしてくる。いつも穿いているズボンが、プリーツスカートと白ソックスに化けただけだというのに、こんなにも不安になるなんて思わなかった。人目に曝されることに慣れていない足を居心地悪く擦り合わせ、スザクは助けを求めるように己の主へと目を向けた。


「よく似合ってるじゃないか、スザク」
「・・・君もね。似合いすぎて怖いぐらいだよ」


先ほどまで不機嫌を絵の具で塗りたくったような顔をしていたはずの主は、そう言って上機嫌に笑った。長い黒髪のウイッグに、上品なドレス――事情を知らない人間が見れば、女性としか思えない姿である。元々が中性的によく整った顔をしているだけ、これではシャレにならないだろう。とち狂う男子生徒も出てくるかもしれないから普段以上に注意が必要な気がする。


「・・・やっぱり、僕だけ元の服装に戻っちゃ駄目かな?」
「会長が許すわけないだろ。それに、さっきまでお前だって乗り気だったじゃないか」
「それはそうなんだけど・・・この格好じゃ君の騎士としての職務が果たせない」
「それを考慮に入れて会長はその服を選んだんだろう? ドレスじゃ動きづらいが、セーラー服なら身動きもしやすい」
「そういうことじゃなくて・・・」


女装するという事実に頑固反対の姿勢を見せていたルルーシュは、一度着てしまって諦めがついたのか、もう抵抗する気がないらしい。逆に、スザクは初め女装というものにあまり抵抗がなかった。まぁ、スザクだって一応は女なのだから当然といえば当然だろう。それよりも、ルルーシュが女装するという、そちらのほうに興味があった。綺麗だろうな、という予想に違わず、女装姿のルルーシュは美人だったのだから、その時点でスザクの目的は果たしたも同然。そのあとに続く自分の女装姿――正確に言えば、男装の上に女装を施すという不可解な姿――についてはまったくのノータッチだったわけで。


「足がすーすーして落ち着かない・・・」


所在なげに足をもぞもぞと動かしながら、スザクは訥々と白状した。ルルーシュは一瞬だけきょとんとして、それから小さく苦笑。スザクの頭をぽんぽんと叩くように撫で、少し離れたところでわいわい騒いでいる生徒会メンバーには聞こえないような小さな声で、言った。


「俺は、結構楽しいんだけどな」
「え?」

「お前に、スカートを穿かせてみたかったから」


そっと耳元に寄せられた唇が紡ぐ言葉に、スザクはぎょっとしてルルーシュを見上げた。紫水晶の瞳を悪戯っぽく細めて笑う主は、誘うようにスザクの頬を撫でて離れていく。低い体温が自分の頬から退いたのを合図に、はっと我に返ったスザクは僅かに熱を持った頬を誤魔化すように視線を鋭くさせた。


「次はいつ着てくれるんだ?」
「・・・もう着ないよ」
「ならふたりっきりのときがいいな。もちろん、服は俺が見立ててやる」
「だから着ないってば!」

「うぉっ!? なに騒いでるんだよ~」


突如割って入った第三者の声にびくりとして視線を転じれば、男装姿の女性陣の輪からようやく抜けてきたらしいリヴァルが、ひょこひょこと近付いてくるところだった。バツが悪くなって顔を逸らすスザクとは裏腹に、涼しい顔でそれを迎えるルルーシュが、今はひどく恨めしい。スザクとルルーシュ、ふたりの姿をリヴァルはまじまじと見つめ、「はー・・・」とどこか感心したような声を洩らして、言った。


「ルルーシュはまぁ、予想どおりにしても、スザクもまた可愛く化けたなぁ~」
「・・・俺は予想どおりってどういう意味だ」


ぎろりと睨み付けてくるルルーシュのほうは軽く笑って誤魔化し、リヴァルの瞳は再びスザクへと注がれた。友人ゆえの遠慮のない視線にスザクはぎくりと体を強張らせて、問う。


「・・・どうか、した?」
「いやさ~、普段の制服姿からいって、もっとごつい印象があったんだけど・・・こうしてみるとスザクって結構華奢なんだなーって」
「・・・・・・・・・」


それはそうだろう。いつもはさらしを巻いたりなどして体の線を少しでも男性に近付けるよう工夫しているのだが、今回は服のサイズや構造、女性用下着まで準備するミレイの凝りようから、そういった小細工がほとんどできなかったのだ。ほぼ自然体であるスザクの体が、普段よりも華奢に見えるのは当然のことである。


「あ、胸もちゃんと詰めたのかー」
「・・・っ!?」


――むにゅ。

不意に伸びた手に胸を鷲掴みにされて、スザクの思考は一斉に停止した。リヴァルに悪気はない。それはわかっている。彼はあくまで、女装した男友達とのスキンシップの一環だと思っており、よもや掴んでいるものが本物の乳房だなんて考え付きもしないだろう。そのまま揉みしだかれる自分の乳房に、スザクはどう反応していいかわからない。本来ならば悲鳴のひとつでも上げるところだったのかもしれないが、如何せん経験がなさすぎて反応以前に脳が考えること自体を拒否している。


「・・・ん? これ、なに詰めてるんだ? なんかすっごい触り心地い――ガフッ」


そのため、先にその事態の収拾にかかったのは唖然としてその光景を凝視していたルルーシュのほうだった。リヴァルの言葉に我を取り戻したのか、はたまた単なる反射だったのか、リヴァルの頭を思いっきり殴打したルルーシュはスザクを背後に庇うように立ち、底冷えしそうな声で、言った。


「リヴァル、覚悟はいいか?」
「っつー・・・、お前、今本気で殴っただろ!?」
「当たり前だ」
「当たり前ってっ!」
「なにか文句があるか?」
「・・・る、ルルーシュさん? 笑顔がとっても怖いんですが・・・」

「安心しろ。一発で終わらせてやる」

「え、ぎゃっ、ちょっ、勘弁ッ!」


逃げ出すリヴァルと、笑顔で追いかけるルルーシュ。そのふたりをぽかんとしたまま見送って、スザクはゆるゆると戻ってきた思考力に、視線を胸元へと落とす。


(――よかった)


よかった。リヴァルが気付かなくて、よかった。もし、彼が気付いてしまっていたら。現実にしたくない想像が脳裏を過ぎり、ふるりと体が震えた。ここは居心地のいい場所だ。スザクもルルーシュも、共に過ごした幼少時代以来、初めて等身大の自分に戻れている。できればそれを失いたくない。だけど・・・スザクは気付いている。もしも、この中の誰かが自分の秘密を知ることになったら、スザクはなんの躊躇いもなくこの場所を壊してしまえる。そんな狂気が自分の中に根付いていることを、スザクは気付いていて、だからこそ恐ろしいのだと思った。


(どうか、お願いだから誰も気付かないで)


――どうかお願いだから、僕にあなた達を殺させないで下さい。


――――――
前回(星が孕んだ狂気)の補完も合わせて男女逆転祭。
これで前回スザクが言ったセリフの意味もよくわかるんじゃないかと・・・。

少女騎士のスザクは今まで自分の性別を知ってしまった人をことごとく排除して生きてきています。
なので、生きている人の中でスザクの性別を知っているのはルルーシュとナナリーだけなのです。
任命式でみんなの知るところになりましたが、そうまでして隠していた性別をルルーシュの一言で覆しちゃうあたりにスザクの愛を感じ取って下さい(笑)
・・・うん、なんか、病んでるよね。自覚してる!

にしても、リヴァル、美味しいなぁ・・・胸鷲掴みだよ。揉んじゃってるよ。
他意がないからお仕置きで済んでるけど、これが♀バレのあとだったりしたら殺されてるよ(ルルーシュに)

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