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コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ


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Thanks for:選択式御題

Dear daysシリーズ。ルルスザ。


気が付けばDear daysも2ヶ月ぶりだったんですね・・・!(汗)

今回はルルーシュとマリアンヌ母さんの会話。
ルルーシュがデレてくれるまでまだまだ先は長そうです・・・(涙)




公務中の自分を訪ねてきた母を、ルルーシュは笑顔で迎え入れた。手ずから紅茶を準備する姿からは、冷酷無慈悲な黒の皇子の姿など誰も想像できないだろう。昔ほど盲目ではなくなったとはいえ、母を大事にしたいという気持ちに変化があったわけではなく、公務よりも母を優先することはルルーシュにとって当然のことだ。スザクを押し付けられた直後はさすがに少々怒りもしたものの、一週間も経てば慣れた。・・・第一、この母は自分がどんなに怒りを表に出しても反省どころか気にも留めないのである。それこそ労力の無駄だ。


「やっぱりルルーシュの淹れる紅茶は美味しいわね」
「お褒めに預かり光栄です、母上」


それならば、こうして喜んでくれる母を笑顔で持て成したほうがよっぽどいい。ルルーシュはこの美姫と名高い母の笑顔を見るのが好きだったし、紅茶を淹れる自分の腕を褒められるのは気分だっていいのだから。――なによりも、そこまで根に持つような事態に発展していないというのは非常に大きい。


「ルルーシュ、スザクの様子はどう?」
「どうもこうも、大人しくしてますよ。手のかからない子供で助かりました」


不機嫌の要因ともいえる敗戦国首相の息子。その彼が、まったくと言っていいほど面倒を起こさない子供であったことこそ、ルルーシュが苛立ちを持続させずに済んだ最たる理由だろう。他人に干渉されるのをとことん嫌うルルーシュにとって、碌に空気も読めず騒ぎ立てる子供は不愉快以外の何物でもない。だが、そういった危惧とは裏腹に、スザクは非常によくできた子供だったのだ。騒ぐこともないし、問題を起こしたりもしない。極力外に出るなというルルーシュの言いつけもよく守り、この一週間で彼が部屋の外へ出たのは、この母に誘われた昨日の茶会ぐらいなものだろう。淀みなく返答するルルーシュに、マリアンヌはすっと目を細めて、言った。


「・・・あなたは、本当に駄目ね、ルルーシュ」


冷めたようなマリアンヌの声に、テーブルへと伸びていたルルーシュの手がぴたりと止まる。口許に笑みを拵えながら、それでも目の奥に鋭い光を宿らせたマリアンヌを見上げ、ルルーシュはその母の不可解さに眉を寄せた。


「・・・駄目、とはどういうことでしょう?」
「駄目だから駄目だって言っているのよ。だって、あなた、なにもわかってないんだもの」
「わかるもなにも・・・いったいどこが駄目なのか明確にして下さいませんか」

「子供に手もかけさせて貰えないようじゃ、あなたもまだまだ半人前ね、って言っているのよ」


びしり、と眼前に突きつけられた指を見て、ルルーシュは咄嗟に言葉を繋ぐことができなかった。そして、皇妃となる前、閃光のマリアンヌとして名を馳せていた母は、そんな一瞬の隙を見逃すような甘い性格はしておらず。


「子供っていうのは大なり小なり何かしら手がかかるものなの。それをフォローしてあげるのが大人の役目。それもさせて貰えないようじゃ、半人前どころか子供だって言われても仕方ないと思わない? どうせ、あなたのことだから、あの子と会話さえ碌にしたことないんでしょう」


追撃の手を休めることなく、彼女は己の息子に言葉の刃を突き立てた。相手に反論する暇も与えない論述はルルーシュ自身も得意とするところではあるのだが、如何せん母相手では自分の口など役に立つはずもない。


「ルルーシュ、あなた、一度でもスザクの本当の笑顔を見たことがある? 怒りを露にする姿は? 哀しみに震えるところはどう? ――どれも見たことないでしょう。当たり前よね。あなた、一度だってあの子と正面から向き合ったことないんだもの」
「・・・・・・・・・」


結果、黙り込むという選択を選ばざるを得ないルルーシュに、マリアンヌはさも嘆かわしげに溜め息を吐いて、続けた。


「あなたに子供を預けるのは、まだ早かったかしらねぇ、ルルーシュ。今からでもユフィに預け直しましょうか。あの子なら、スザクの笑顔なんてすぐに引き出せるでしょうし」
「な・・・っ!」


突如として上がったひとつ下の異母妹の名前に、ルルーシュの苛立ちは一気に頭まで駆け上がった。慈愛の姫君と名高いユーフェミアを、自分より格下などとは決して思ってはいないし、普段の冷静なルルーシュならば、自分よりも彼女のほうが子供の扱いに長けているであろうことぐらい簡単に認められたことだろう。だが、反論を許さないマリアンヌの物言いは確実にルルーシュの鬱憤を煽っていたし、そうまで言われて黙っていられるような低い自尊心は持ち合わせていない。頭の片隅にある冷静な部分が、これは挑発だと警告を促している。――だが、もうそれでは止まれないところまでルルーシュは来てしまっていたのだ。


「――いいでしょう、母上。そこまで仰るなら、俺にも考えがあります」
「あら、なにかしら?」


ティーカップ片手に、優雅な笑みを浮かべる母に向けて、ルルーシュは人差し指を一本立てて見せた。「一週間です」きっぱりと告げる言葉に、母はすっと目を細めて先を促す。



「一週間で、俺はあいつ――スザクの笑顔とやらを引き出して見せますよ」



そこらへんの貴族が見たら裸足で逃げ出すような酷薄な笑みをその唇に刻み、ルルーシュは母の挑発に乗った。母は、少し冷めた紅茶を口許に運びながら「楽しみにしているわ」とさほど期待していないような声で、言った。


――――――
多分心の中で「本当に単純な子ねぇ」とかほくそ笑んでるマリアンヌ母さん(笑)

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