コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
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願いごとシリーズと銘打っておきます。スザルル。 大学生スザクとその願いを叶えに来た精霊ルルーシュとの同居生活の話。 まぁ、とりあえず始まりって感じで! 詳しい設定は後で倉庫にupしておきますー。 これはどういう状況なんだろう、と枢木スザクは思う。自分の部屋に、見ず知らずの男がいた。泥棒だろうか? いや、泥棒にしては見つかっても堂々としている。むしろ堂々としすぎている。目があっても焦りもしない泥棒なんていないだろう。そう思いながら、侵入者をまじまじと見遣る。艶やかな黒髪に、思わず魅入ってしまうような紫の瞳。整いすぎた顔だけ見ると女性――しかも美女にも見えるが、その体のラインには女性特有の柔らかさも凹凸もない。 ・・・さて、どうしよう。観察してみたところで、現状に変化はない。リビングへと続く扉を開けたら人がいて、しかもくつろぐように座っている。間違えましたと言って部屋を出て行くべきだろうか? いや、でもここは間違いようもなくスザクの部屋だ。ひとりで暮らすには広すぎる2LDKのマンション――高校入学と同時に住み始めたスザクの城だ。・・・だったら、彼は一体誰なんだろう? 「何してるんだ? そんなところに突っ立ってないでさっさと入れ」 「う、うん・・・?」 なんで自宅にいながら見ず知らずの人間に命令されてるんだろう。飲み込めない状況に首を傾けながら、スザクはリビングへと足を踏み入れた。なんと言っていいかもわからず、とりあえず「お邪魔します?」と頭を下げれば、「お前は自分の家に『お邪魔します』と言って入るのか?」と不思議そうな顔をされ、そんな顔をしたいのはむしろこっちのほうだ、と口には出さずに思う。半ば考えることを放棄して、スザクはテーブルを挟んで向かい合うように、彼の前に座った。 「えーと・・・まどろっこしいのは苦手だから、単刀直入に訊くね。君は誰?」 「俺はルルーシュ。――お前は枢木スザクだな?」 「へ? なんで僕の名前を?」 「妹から聞いた。スザク、俺はお前の願いを叶えに来たんだ」 「・・・はい?」 ・・・駄目だ、頭が混乱してきた。今わかっていることを整理すると、この男の名前はルルーシュ。で、妹がいて、彼女はどうやらスザクのことを知っているらしい。それから――願いを叶えに来たという彼の発言。 「ごめん。ちょっと整理させて。なんでいきなり願いを叶えるとか、そんな話になってるの?」 スザクの問いに、ルルーシュはひとつ頷き、こう切り出した。「半年ほど前、鳥を保護したことを覚えているか?」・・・確かに、覚えがある。事故にでも巻き込まれたのか、ひどい怪我を負った小さな鳥で、スザクが拾ったときには随分と衰弱していた。医者に診せて治療すること2週間。部屋に戻ってきたスザクは小鳥の姿がないことに気付いて愕然とした。心当たりはもちろん、闇雲に探し回ったけれど小鳥は見つからず、体を引き摺って移動する痛々しい姿が、スザクの中での最後の記憶になってしまった。 小さな痛みを伴う記憶にそっと顔を伏せながら頷いた瞬間――「それが俺の妹だ」思考が停止する。・・・・・いもうと? ばっと顔を上げ、まじまじとルルーシュを見遣る。彼の母なら、それはそれは綺麗な女性だろう。その女性が、陣痛に苦しみながらあの小鳥を産み落とす。いや、もしかしたらあの小鳥に似た愛らしい母鳥の卵からルルーシュが生まれたのか。瞬時に頭を駆け巡った想像に思わず感嘆の吐息を洩らして、スザクは答える。 「・・・・・・シュールな光景だね」 「何を考えたか想像が着いたから言うが、違うからな」 ぎろりと睨まれて、だって君が妹だって言ったんじゃないか、という非難はとりあえず飲み込んだ。ルルーシュは、ふぅ、とひとつ溜め息を吐いて、続ける。 「ナナリーは・・・妹は、まだこの人間界で人の姿を保つほどの力がないんだ。だから小鳥の姿でこちらに遊びに来ていたんだが・・・お前も知ってのとおり――」 「ちょっ、ちょっとストップ!」 「・・・なんだ?」 心底不思議そうにしている彼を見て、本気でわかっていないのかと思わず脱力しかけた。頭がいいように見えるけど、変なところで抜けているのかもしれない。そんな、少しだけ失礼なことを考えながら、問いかける。 「君は・・・いや、この際だから君達は、にさせて貰うけど、一体何者なの? さっきから聞いてると、人間界がどうとか、人の姿を保てないとか、まるで自分達が人間じゃないって言ってるみたいだ」 スザクの問いかけに、ルルーシュはようやく自分の説明不足に気が付いたらしい。さっと顔を赤くして、わたわたと慌て始めるルルーシュを宥め、スザクはひとつひとつ質問を重ねていった。――曰く。ルルーシュ達は精霊で、神聖ブリタニア帝国という精霊の国の皇族だということ。スザクはナナリーの命の恩人で、その恩を返すためにルルーシュはここまでやってきたということ。精霊の魔法を使えば、どんな願いでも叶えることができる、ということまで聞き出し、ようやくスザクは最初に彼が言った「願いを叶えに来た」という言葉の真意を知ることができたのである。 「そんな、恩返しとか、別にいいのに・・・」 「何を言う! お前が助けてくれなかったらナナリーは死んでいたかもしれないんだぞ? ナナリーとロロ・・・あ、いや、弟のことなんだが――ふたりは俺の宝だ。恩返しぐらい当然だろう!」 無駄に胸を張るルルーシュの姿を見て、精霊にもシスコンとかブラコンっているんだなぁ、と思わず苦笑が洩れた。「本当にふたりが大切なんだね」スザクの言葉に、彼は一瞬だけきょとんとし、それからひどく優しい顔で微笑んで。 「あぁ。ふたりは、俺の大事な家族だからな」 愛おしそうに、目を細めた。偽りなく、心の底から誰かを愛し、慈しんでいる表情。温かくて優しい、家族の絆。それは、彼の本質的な美しさだとスザクは思う。容姿の美しさとはまた別に、彼は心までもが綺麗なのだ。――眩しい。それはとても眩しい光だ。その光を目にした瞬間に、スザクの願いはもう決まっていたのだろう。このときはまだ気付いていなかっただけで、その願いはそっと胸の奥に芽吹いていたのだ。 ―――――― なんか想像以上に長くなった。 無駄な会話が多すぎなんだよこのふたり!(笑) PR この記事にコメントする
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