コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
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わたしの執事、ぼくのお嬢様シリーズ。スザルル♀。 本編更新はすごく久しぶりですね!(前回更新はハロウィンだった) 今回はカレンとスザクの会話。 ルルーシュ高校生の頃です。ルルーシュ16歳(高二)、スザク&カレン26歳ぐらい? スザクとカレンは元同級生で悪友(?)みたいな関係。 お正月も小話書きたいなぁ、とは思ってます。 でもお正月は結構忙しい(家を空けたりする)ので、ひょっとしたら三箇日過ぎたあとになるかもしれません(汗) ――好きなんだ、と少女は語った。 「何度言ったら、お前はこの言葉を信じてくれる? お前にとっては子供の戯言かもしれない。だけど、私は本気なんだ。この想いを否定することはたとえお前でも許さない。――スザクが好きだ。ずっとずっと好きで、ずっとずっとお前しかいなかった。お前以外考えられなかった。だから・・・っ、お願いだからっ、否定しないで。ちゃんと・・・お前が好きなんだ、って、ちゃんと認めてほしい・・・っ!」 そう言って泣くから。ずっと大事にしてきた女の子がそう言ってスザクにだけ手を伸ばして泣くから。だからスザクは――。 * * * 「・・・で、あんたはその10歳年下のお嬢様とお付き合いを始めて何年になるわけ?」 「・・・3年目・・・」 「このロリコン」 うっ、と詰まる目の前の男を冷たい視線で一蹴し、カレンは日本酒を呷った。空になったグラスを余所に避け、次は焼酎にしようと心に決めながら、未だテーブルに懐くように沈んでいる元同級生を見遣る。柔らかそうな亜麻色の髪に、大きな翡翠の瞳。・・・そういえば同級生時代、この男は可愛いだとか母性本能が擽られるだとかで随分人気があったな。ぼんやりと当時のことを思い出しながら、カレンは店員に焼酎を注文した。 枢木スザクとは、まず中学が一緒だった。・・・とはいっても、当時はお互いに一切興味がなく、在学中はずっと同じクラスという奇妙な縁があったにも関わらず交流は皆無に等しく、それは偶然にも同じ高校に進学したときも同様だった。まぁ、スザクは1年の夏休みが明けると同時に退学してしまったので、同じ教室で高校生活を送ったのは半年にも満たなかったわけだし、それを知ったときでさえなんの感慨も浮かばなかったカレンとしてみれば、そちらはおまけ程度の感覚でしかない。むしろ、彼との関わりは高校卒業後にばったりと街中で鉢合わせしたところから始まったと言っていい。 「だーっ、情けないわねぇっ! 男ならもっとびしっとしなさいよ、びしっと!」 運ばれてきた焼酎を片手に、カレンは心底面倒臭く思いながらスザクに声をかけた。うじうじしている男など、正直関わりたくもない。だが、彼の話を聞く代わりにここの勘定を持って貰う約束をしているカレンとしては、それを反故にするわけにもいかないのが実情だ。人の金だと思って先ほどから高い酒を頼んでいる身としては尚更。 「大体、高校生に手出しといて今更なに常識人ぶってんのよ」 「あのねぇ、カレン・・・お嬢様には未来があるからしっかり否定しておくけど、手は出してないからね?」 「は? ・・・・・・す、スザク、あんたひょっとしてイン――」 「仮にも一応は女の子なんだからもう少し言葉を選ぼうか」 テーブルから顔を上げたスザクは、カレンの言葉を遮ってにっこりと微笑んだ。「仮にも」とか「一応」とか、いささか聞き捨てならないセリフを聞いた気もするが、お互い様なのであえてここは流しておく。だけど次の注文はさすがに高すぎるだろうと遠慮していた純米酒にしようと思う。 「大体、告白してきたのは中学生のときだよ? そんな子供の恋愛を本気にする大人なんていないでしょ」 「賢明な判断ね。じゃあ、あんたはそのお嬢様の恋愛ごっこに付き合ってあげてたわけ?」 「まぁ・・・そうなる、かな? 成長すれば自ずとこれが恋じゃないって気付くと思ったからOKしたんだし」 「でもお嬢様は高校に上がってもまだあんたにべったり、と?」 「そうなんだよ!」 言葉尻荒く、テーブルの上に空になったグラスを戻すスザクは、途方に暮れた様子で眉を寄せた。なるほど、と頷きながら、カレンはしみじみとスザクを眺める。こんな男に初恋を捧げるなんて、と思ってしまうのは、彼がカレンの好みからはずれている所為だろう。幼い頃から自分を大切にしてくれた年上の男性、という観点で見るならば、カレンにだってそのお嬢様の気持ちがわからなくもない。実際、カレンの初恋は実の兄だった。もちろん、自分の世界が広がるにつれ、その恋心は憧れと家族愛の延長にあるものだと気付いた。成長とはそういうものである。 「あんたが下手に夢を叶えちゃったから未だに夢見る少女のままなんじゃないの?」 「そういうタイプじゃないんだけどなぁ・・・。どちらかというと現実主義のしっかり者だし」 「・・・それは・・・。会ったことないからなんとも言えないけど」 スザクの語るお嬢様像には親代わりをしてきた欲目が入ってくるからあまり当てにはならないだろう。しっかり者に見えて実はかなりのロマンチスト、なんてことも考えられる。だが、本当に思い付いてしまった可能性はそんなものじゃない。 (ひょっとしてその子、あんたに本気なんじゃないの?) 口にすることを躊躇ったのは、スザクの真意がどこにあるのかわからなかったからだ。彼がそのお嬢様を大切にしているのはよくわかる。スザクが執事を務める家には3人の子供がいるらしいが、その中でもとりわけ大事にしているのが件のお嬢様なのだろう。だが、そのベクトルがどういう方向に向いているのかがわからない。次期当主として大事なのか、懐いてきた妹感覚なのか、それとも・・・異性としての感情なのか。わからないから下手に突っ込めない。第一、お嬢様の感情自体が可能性のひとつなのだ。下手に突いていい問題でもない。代わりにカレンは、思ったよりも美味しくない焼酎で喉を潤すだけの間を置いて、口を開いた。 「いっそのこと、あんたが余所に女でも作れば? 幻想を壊されてしっかり現実を見るようになるかもよ」 「女かぁ・・・。ねぇ、カレン、一度僕の彼女のフリしてお嬢様に会ってみない?」 「冗談でしょう? この先一生お酒を奢り続けてくれるって言われてもごめんだわ」 だよねぇ、と苦笑しながら、スザクは自分の空になったグラスを指し示して「同じのを」と店員に頼んだ。カレンのグラスも空になったけれど、何故だかもう馬鹿高い純米酒を頼む気にはなれなかった。 ―――――― カレンはどうしても洋酒ってイメージが湧かないなぁ。スザクは割となんでもいけそうですが。 ふたり共酒強そうですけど、多分スザクのほうが底なし。 このスザクはきっと酔えないタイプの人間だと思っているので(笑) 本編とはまったく関係ない酒談義ですみません! PR この記事にコメントする
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