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コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ


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Thanks for:ユグドラシル

輪廻シリーズ。スザルル。


ルルーシュとスザクの小学校入学式話。
ロロとナナリーが1歳かな・・・?(あんまりよく計算できてない人)

幼少期編はそんな長々とやる気ないんだけどなぁ・・・。
頭の中で書きたいネタをまとめてみたら結構あってびっくりしました。
主軸は高校生編にあるのに・・・!(笑)




「入学おめでとう、ルルーシュ!」


玄関から現れたルルーシュにそう笑えば、彼は少しだけ呆れた顔をしながら、それでも笑って「おめでとう」と返してくれた。「おめでとう、スザクくん」ルルーシュに続いて玄関から出てきたマリアンヌも、腕の中の双子を抱き直しながら綺麗に微笑む。幼い双子が、いつもと違う雰囲気を感じ取ってどこかそわそわしているのを微笑ましく見つめ、スザクは嬉しくなって唇に笑みを乗せた。――嬉しい、と思った。たかが小学校の入学式、と呆れられるかもしれない。だけど、ルルーシュが隣にいるだけで。彼が、隣で笑っていてくれるだけで、スザクはこんなにも嬉しくなれるのだ。我ながら単純だな、と思いながら視線を巡らせれば、誰よりも笑っていてほしいと願う張本人は、何故かひどく難しい顔で隣家であるスザクの家を凝視していた。


「どうかしたの? ルルーシュ」
「スザク・・・その、お前のご両親は・・・?」


どこか気まずそうに紡がれた言葉に、あぁ・・・と納得しながら苦笑する。迎えにきたスザクがひとりだったことを、ルルーシュは気にしているのだ。スザクにとってはどうでもいいことでも、優しい彼は気にかけてくれる。その事実が嬉しくて、でも、どうしてもこればっかりは居た堪れない気持ちになってしまう。


「あの人達は忙しいからね。仕様がないよ」
「でも、そう言って卒園式にも来なかったじゃないか。その上、入学式まで来ないなんて・・・」
「いいんだよ」


眉を寄せるルルーシュに、スザクははっきりと言った。実際、スザクの言う「忙しいから」というのは半分嘘だ。父が忙しくて息子の入学式なんかに構っていられないというのは本当だが、母のほうはきっと家の中で安堵しているはずだ。スザクが、自分の入学式に来なくてもいい、と言ったことに。


「――これで、いいんだ」


母の姿を見る度に、スザクは申し訳ない気持ちでいっぱいになる。彼女はきっと、自分の息子を愛したかったはずだ。スザクがまだ乳飲み子だった頃、当時から前世の記憶を抱えていた身としては居心地が悪かったが、それでもあの人は沢山の愛情を注いでくれた。


――元気に育ってね、スザク。あなたが元気でいてくれることが、母さんは一番嬉しいわ。


乳飲み子の頬を撫でながら、愛おしそうに微笑む彼女を、スザクはずっと見ていた。――最初に彼女を拒絶したのはスザクのほうだ。彼女を母親だと思えなかった自分。彼女の子供になれなかった自分。あの人は、ただそんなスザクを敏感に感じ取っただけだ。自分の息子の姿をした得体の知れない何か。・・・彼女は多分、スザクをそんなふうに思っている。「母さん」と呼びかける度にびくりと震えるあの人を、スザクは見ていられない。だから、きっとこれでいいのだ。


「よくないぞ、スザクっ!」

「え・・・?」
「入学式は特別な日なんだぞ! それなのに誰も来てくれないなんて、そんなのお前が寂しいだろうっ!」


びしり、と指を突き立てて言い切ったルルーシュに、スザクは思わずぽかんとして。その後ろで、マリアンヌがくすくすと笑った。


「あんなこと言ってるけど、ルルーシュだって『今日、母さんは来なくてもいいっ!』なーんて言ってたのよ」
「え、そうなの? ルルーシュ」
「そっ、それはっ! 母さんにはナナリーとロロの世話もあるからで・・・」
「それでも母さんは寂しかったわ~。ナナリーとロロだってお兄ちゃんのお祝いしたいわよねぇ?」
「あうー!」
「きゃいっ!」
「だから、その・・・っ」


話の流れをわかっているのかいないのかは定かではないが、元気に反応を示す双子に、ルルーシュはごにょごにょと言葉を濁す。微笑ましい家族のやりとりにスザクがほんわりと頬を緩ませると、分の悪くなったルルーシュは、矛先を変えるように視線を鋭くした。これは間違いなく八つ当たりされる。一瞬でそう悟ったスザクの行動は早かった。


「そもそもといえば、スザク! お前がっ」
「あっ、そろそろ急がないと! 入学式に遅刻したら大変だ!」
「お、おいっ、スザク! 逃げる気か!?」
「あははー。逃げるもなにも同じ学校でしょ?」


軽い足取りで駆け出したスザクを、ルルーシュが追いかける。彼が追いつけるように、とスピードを落としたスザクに、ルルーシュは憮然とした表情のまま文句を連ねている。――あぁ、なんて平和なんだろう。子供とは思えない豊富な語彙を用いて展開される小言は右から左へと受け流して、スザクはへらりと笑った。どうってことはないこんな日常が、スザクは愛おしい。その笑顔が更にルルーシュの怒りを煽ったのだろう。ヒートアップしていく口調に、スザクは慌てて神妙な顔を作ろうと表情を改めるが。


「ルルーシュ。スザクくん」


マイペースに後ろを着いてきていたマリアンヌの呼び声に、作りかけの表情はきょとんとしたものに変わった。「なんですか、母さんっ」苛立ったままに振り返るルルーシュに倣うようにして視線を転じたスザクの耳に、ピピッ、という電子音が届き。


「――入学おめでとう、ふたり共」


両手に双子を抱いたまま器用にデジカメを構えたマリアンヌが、してやったり、という得意気な表情で笑った。一方はしかめっ面で、もう一方は間抜け面、というなんとも情けない写真が、入学式の記念写真としてランペルージ家のアルバムの、しかも記念すべき1ページ目を飾ることになるとは、このときのルルーシュとスザクの知るよしもないのである。


――――――
きっとそのアルバムの題名は「ルルーシュの記録 ~小学生編①~」だと思います(笑)

えっ? 親ってそういうものだよね!?
子供の隙を狙うような写真撮ってアルバムに貼り付けたりするよね!!?

もちろん、このあとルルーシュとスザクはちゃんとした記念写真も撮ったとは思います。
そして思ったよりネタが明るくなったためにタイトルと内容がマッチしていない気がしますが、まぁ、いつものことなので気にしません!(駄目な子代表)
あくまでもお題はインスピレーションなのよ!

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