コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
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少女騎士シリーズ。ルルスザ♀。 30000HIT記念。3回連続更新第一回目。 【罪悪刺青】 Chapter 1 ずっと話していたちょっと長めのエピソード開始です! 実は、サブタイトルだけはずっと前から決まってました(笑) ちなみにサブタイトルは「ざいあくしせい」と読みます。「ざいあくいれずみ」じゃないよ!(笑) 今回はスザクの幼少回想。 初めて人の死の瞬間に触れたのは、7歳のときだったように思う。被害者は当時スザクの世話係になったばかりの8歳年上の少女。加害者は、父親だった。 (・・・赤い) 幼いスザクは思う。――俺だ。 (俺の所為で、死んだ) 殺された。やけに月が明るい晩に、少女はあっさりと殺された。鈍色に閃く兇刃は赤黒い雫を滴らせていて、スザクの頬にも飛び散ったそれは、まだ僅かに体温を残している気がした。 (俺は、ただ、友達になりたかっただけ、だったんだ・・・) 彼女は、初めての客だった。閉じられたスザクの世界に、一滴の波紋のように訪れた客人。それまで、スザクの傍には薄気味悪い医者の男しかいなかった。生まれたときからスザクの健康面を管理してきた医者の男と、時折様子を見にくるだけの父親。それだけがスザクの世界で、そこに、ぽんと放り込まれたのがその少女だった。初めて見る世界の外の人間は美しかった。容姿は正直、そこまで明確には覚えていない。ただ、風に揺れる長い黒髪と、笑うとほんわりと和む大きな瞳だけが印象に残っているだけ。けれど、それでも彼女は美しかった。心の在り方が美しくて、そしてなにより新鮮だった。 『スザク様、わたしと、お友達になって下さい』 友達――なんて甘美な響きだろう。辞書の中でしか知らなかった言葉を、こうして誰かから言われる日が来るなんて、当時のスザクには思ってもみないことだった。自分には一生縁のない言葉なのだろうと、どこかで悟ってもいたのだ。だから、そう言って彼女が握手を求めてきたとき、スザクの胸に広がったのはなんとも言えないくすぐったさだった。 (俺、馬鹿だ) 友達なら、別にいいんじゃないのかな。そう、心の中で囁いたのが誰だったのか、スザクには今でもわからない。友達に隠し事なんておかしいよな、だからこれは普通のことなんだよな。そうやって自分を納得させて、父の教えも、医者の脅迫染みた警告も忘れ、スザクは少女に最大の秘密を打ち明けた。密やかに、こっそりと、狭くて小さな箱庭で、スザクは少女に、自分が本当は女であることを打ち明けたのだ。 (だから・・・) ――だから彼女は、物言わぬ肉塊にされた。 「・・・まったく。いらん手間をかけさせおって」 ひゅん、と風を切る音がして、刀についた血が振るい落とされる。そうして、煩わしげに吐き出された父の声には、いささかの動揺も見られなかった。「スザク」と自分の名前を呼ぶ声に、少女の亡骸へと注がれていた視線をゆるゆると上げる。・・・父は、いつの間にか目の前に立っていた。自分を見下ろす無感動な双眸に、ひゅっと息を吸い込む。 「お前は枢木の跡取りだ。間違っても自分が女であるなどと口にするな」 そう言って差し出された刀は、柄まで赤く濡れていて、幼いスザクには頷く以外の選択肢は用意されていなかった。だって、当時のスザクは、自分が女であることは知っていても、自分が女であるという自覚はなかったのだ。今になって思えば、自分が女では色々と都合が悪かったのだろうと想像することもできるが、当時のスザクにはその知識さえない。ただ、押し付けられるように渡された刀を見つめ、「次からは自分で始末を着けろ」という父の言葉を聞いた。 「秘密を知った人間の口は自分で塞げ」 どくん、と心臓の鼓動がひとつ跳ねた。ぬるり、と滑る刀の柄を握り締め、スザクは震える唇に、まるでなにかの呪いのように言葉を乗せた。 「秘密を、知られたら・・・」 次にこの少女のような肉塊を作るのは、自分の役目だ。 ―――――― 幼少スザクパート、そのいち(笑) いやー、難産でしたねー。なにがつらいって、ゲンブさんのキャラがわからないのがつらい。 ちなみに余談ですが、この事件のあとから、スザクは藤堂さんに剣道を習い始めます。 Chapter2からはルルーシュも多分登場するはず・・・! PR この記事にコメントする
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