コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
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輪廻シリーズ。スザルル。 5月でも元気にバレンタインです! 輪廻シリーズ初の前世回想(笑) ・・・初が番外編って・・・あ、今更ですか。そうですか・・・。 一応ですね、前世のふたりは親友以上恋人未満の曖昧な関係でした。 あ、いや、正確にいうと、恋人だったんだけど公式的なあれやこれやがあって破局して、その後はお互いにお互いの気持ちは知ってるけど今更言えないよね、みたいな関係でした。 それを踏まえて読むと・・・ちょっとは切ない気持ちに・・・なってくれたらいいなぁ・・・(苦笑) ほら、と。軽い調子で投げ渡された箱を見遣り、スザクは訝しげに眉を顰めた。 「なんだい? これは」 「バレンタインのチョコレートだ」 「・・・・・・季節はずれにもほどがあるだろう」 「仕方ないだろう。昨日唐突に思い出したんだから」 悪戯が成功した子供みたいな顔で、彼はくつくつと笑い、そうして至高の宝石を思わせる紫の瞳をそっと細めて、続けた。 「――結局、お前には一度もチョコレートを渡せていなかった、ってな」 愛しさを孕んだようなその視線は、その声は、もう二度と自分に向けられることはないと思っていたものだ。戸惑いと、それを軽く凌駕する恐怖にスザクは思わず視線を逸らし――逸らした先には、彼の纏っている白い皇帝服。見るたびに走る胸の鈍い痛みを押し込め、長く、深く息を吐き出す。 (なんで、いまさら・・・) 喉元まで上がってきたその言葉をなんとか飲み込み、スザクはもう一度彼の顔を見た。・・・綺麗な顔だと、思う。初めて見たときは、同じ人間だと思えなかったほどだ。一瞬見惚れて、それからブリタニア人はその見目で人を惑わすのだと馬鹿なことを考えたりもしたものだ。・・・その所為で当初は随分とひどいこともしてしまった。 そんな彼と仲良くなって、別れて、再会して、スザクは恋をした。きっと、二度目の恋だった。幼いころに抱いていた淡い想いが、確かな形を結んで、スザクの心にすとんと収まったのだ。――だからスザクは、ルルーシュに2度、恋をした。 「・・・スザク、覚えているか? 付き合い始めたころ、どんなふうにこれからを過ごそうか、話したことがあっただろう」 「――うん、覚えてる。軍人の僕に未来の話なんて、って言ったら、君は本気で怒ったんだ」 「あぁ、そうだったな。・・・それから、俺は4月に花見をしようと言った」 「なら7月に入ったら海に行こうね、って僕は言ったよね」 「10月には月見をして」 「12月にはホワイトクリスマス」 「それで、2月には・・・」 「――君の手作りのチョコレートがほしい・・・」 鼻の奥がつん、と痛くなって、それを唾と一緒に飲み込む。それからスザクは、投げ渡された箱の表面をそっと撫で、自分でもちょっと情けないと思うようなぎこちない表情で、笑った。 「ありがとう、ルルーシュ。・・・僕の、ずっとほしかったものだ」 その答えに、ルルーシュも笑うのだ。スザクの拙さを包み込むように優しく。今、もっとも人々から憎まれているであろう悪逆皇帝からは程遠い表情で。 「じゃあ、一ヶ月後のホワイトデーは僕が頑張らないと」 「あぁ、そういえば日本では3倍返しが基本らしいな。期待している」 「・・・一気にハードルが高くなったなぁ・・・」 ・・・まるで、過ぎ去ってしまった学生時代をやり直すかのように。 それはゼロレクイエムを一週間前に控えた、よく晴れた日のことだった。 そうして、2度目の生を受けたスザクの夢は終わりを告げる。目尻からこめかみのほうへと流れていく涙もそのままに、スザクはしばらく、ベッドの上から起き上がれなかった。 ―――――― 書いてる途中、つらくてキーボードを投げそうになった(なら書くな) 作中でわかるとおり、前世のふたりにはホワイトデーがありません。 それはもちろんふたりともわかっていて、その上での会話です。 ・・・という形で、現世のホワイトデーに続く!(笑) PR この記事にコメントする
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