夜が明けるまで

Thanks for：hazy

輪廻シリーズ。スザルル。


お正月（年明け）の話です＾＾
相変わらずの幼少期。・・・好い加減高校生の話とか書きたいなぁ、と思う今日この頃です（苦笑）
とりあえず、今回もほのぼのして頂けたら幸いです☆

遅くなりましてすみません（ぺこり）

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いつの間にか聞こえてきた小さな寝息に、ルルーシュは苦笑しながら母を手招いた。年明けまで起きてるんだと意気込んでいた双子ではあったが、惜しいことに年明けまであと30分を残してリタイアである。まぁ、日頃遅くても夜の9時にはベッドに入る生活を考えれば、充分に頑張ったといえるだろう。


「ふたりとも、やっぱり寝ちゃったね」
「仕方ないさ、まだ4歳だからな」


母がふたりを部屋へ運んでいる間に、とスザクと共にリビングを軽く片付けておく。散らかったままの年明けなど考えられないと思ってしまう自分は、随分と日本の生活に馴染んだものだ。


「今日はすまなかったな。無理に引き止めてしまって・・・」
「ううん。久しぶりに賑やかな大晦日だったよ」


夕方、帰宅しようとしたスザクを引き止めたのは、件の双子だった。気合い充分に「としがあけたらいちばんにおにいさまたちにあいさつするんです！」「だからきょうのスザクにいさんはおとまりなの！」と豪語していたのに・・・。明日のふたりの落ち込みようが目に見えるようだ。


「ロロとナナリーの成長も見れたことだし」
「・・・そのことはあまり言ってくれるなよ」
「えー、でも可愛かったと思うよ？」


・・・それは、正直否定しない。そもそも発端は、幼稚園で習った『年明けの挨拶』を披露することに燃えていた双子に、スザクが「練習しておこうか」と言い出したことにあったのだ。「年が明けたよー、なんて言うんだったっけー？」などと、どこかの教育番組よろしく問いかけるスザクに、双子はにっこりと笑って、それはもう自信満々に、言った。


「「あまけしておでめとうございます！！」」


その発言を聞き、最初に思いっきり吹き出したのは母であるマリアンヌだった。テーブルをばんばんと叩きながら悶えるように腹を抱えたマリアンヌを見て、双子は目をぱちくりさせていた。次に吹き出したのがスザクだ。おそらくじわじわと笑いが込み上げてきたのだろう。必死に堪えようとはしていたが、その肩は明らかに震えていた。

その後、双子はルルーシュの訂正によって自分達の間違いを知り――先のような異様なまでの意気込みに繋がるのである。そんな双子を見て大いに和んでしまったルルーシュも強く言えた義理ではないのだが、さすがにそんな些細な間違いを話の種にされては可哀想だろう。


「あっ、ルルーシュ、ルルーシュ」
「なんだ？」
「あまけしておでめとう」
「は？」


明日はもうその話題に触れないでおこう。うんうんと頷いて自己完結したルルーシュは、直後のスザクの発言にぱっと顔を上げて。


「あぁ・・・もう年が明けたのか」


0時を過ぎた時計を見て、小さく呟いた。それから、唇の端をほんの僅かに緩めて、心の中で双子に謝る。


「あまけしておでめとう、スザク」


朝までには忘れておくから。そう言い訳めいたことを思いながら、ルルーシュはスザクと顔を見合わせて、隠れるように笑った。


――――――
「あまけしておでめとう」はバカ殿の優香姫から。
毎年やるネタなんですが、わりと好きなんですよねー、あのやりとり（笑）

きっと大きくなった双子に「昔こんなことあったよね～」とか話題にして「そのことは忘れてよ！」とか言われてるんですよね。
私も小さいときの間違いとか親戚内で話題にされますもん。
覚えてもいないことだったりするのに、あの恥ずかしさはなんなのか・・・（笑）

遅くなりましたが、皆様「あまけしておでめとう」ございます♪