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コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ


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Thanks for:選択式御題

Dear daysシリーズ。ルルスザ。


ルル誕ルルスザ編。
本編ではまだデレてないルルーシュですが、耐え切れなかったので先行デレルルーシュです(笑)
デレルルーシュと、懐いてきたスザク(幼少)です。
「あのルルーシュがここまで形無しになるのか!」とか楽しんで頂けたら幸いです(笑)


そして、なんとかルルスザ編も5日に間に合いました!
よかった・・・! 半ば諦めてたけど間に合ってよかった!!




――どうしよう。


現在、スザクの頭の中を占める感情は、その一言に集約された。・・・どうしよう。焦りばかりを生む自分の頭は、今朝聞いたばかりの会話に全神経を集中させている。――曰く。


『今日はお兄様の誕生日なんですよ』
『スザクも一緒にお祝いしましょうね』


にっこりと微笑む、可愛らしい姉妹の言葉に。ルルーシュの妹で、自分にとっては優しい姉のような存在であるナナリーとユーフェミアは、朝からひどく楽しそうだった。ユーフェミアはルルーシュとナナリーの兄妹とは母親が違うのだが、とてもそうとは思えないほど仲がいい。ふたりは人質のような存在であるスザクにも優しかったし、彼女達がそう振舞ってくれるおかげで他のルルーシュ達と交流のある異母兄弟姉妹もそれに倣うようにして優しくしてくれた。感謝してもしつくせないし、それを抜きにしても大好きなふたりなのだから、楽しそうにしていればスザクだって楽しくなる。・・・が、その理由をふたりから聞かされた途端、楽しさなど一片も残らずに凍り付いた。


(・・・ルルーシュの誕生日? 聞いてないっ!)


尋ねてないのだから、聞いてなくても当然なのだが、それを忘れるほどの大きなショックに、一瞬冗談抜きで意識が遠退きかけた。ユーフェミアとナナリーは自分達が主催する内輪だけの誕生日パーティーに出るよう呼びかけたかっただけなのだろうが、もっと早く教えてくれればよかったのに、と思わずふたりを恨んでしまいそうになった。ふたりはまったく悪くない、と慌てて首を振り、なんとか「うん・・・」とだけ返すことに成功したものの、スザクの背中はいやな汗でいっぱいだった。


(プレゼント・・・どうしよう・・・)


元々、スザクがルルーシュにあげられるものなど、まったくと言っていいほどないのだ。スザクの身の回りにあるものはほとんどルルーシュが揃えてくれたもので、それを贈るのではプレゼントの意味がない。せめて数日前から知っていれば何かしら思い付いたのだろうが、当日の、しかも焦りで思考がまとまらない今の状況では、いい案など思い付くはずもない。

ルルーシュは、誰よりもスザクのことを考えてくれる優しい人だ。多少、甘やかしすぎではないかと甘やかされる立場ながら不安になったりもするのだが、少し体温の低い手に慈しむように頭を撫でられれば、それだけで満たされるような思いになるのは否定のしようがない。甘い声で名前を呼ばれるのも、甘やかすために抱き上げられるのも、駄目だ駄目だと思いながら結局は求めてしまう。スザクの大好きな人。――だけど、そんな彼の誕生日にさえ、贈るものひとつ自分は持っていないのだ。それが情けなくて、哀しくて、スザクは彼の誕生日パーティーには出られないと思った。だって、そうだろう。ユーフェミアやナナリーはきっと素敵なプレゼントを用意しているだろうし、他の異母兄弟姉妹――代表を挙げるならシュナイゼルやコーネリア――だってルルーシュのために何かしら準備しているに違いないのだ。そんな中、スザクだけ何もないと知ったら、ルルーシュはきっと落胆する。彼のそんな顔は見たくない。・・・そう思っている内に、スザクはマリアンヌが所有する薔薇園へと足を踏み入れていた。


(・・・パーティーが終わるまでここにいよう)


薔薇園の片隅に、蹲るようにして座り込んだスザクの耳に、ありえないはずの声が飛び込んできたのはその直後だった。「スザクー?」と探すように自分の名を紡ぐ声は、耳に心地良く響く聞き慣れたもので。嘘だ、と瞬時に思いながら、だけどその声をスザクが聞き間違えるわけもなくて混乱して。そうして戸惑っている間に、薔薇園を歩き回っていた気配はスザクの隠れている一画へと近付いていた。


「・・・見つけた」


逃げることもできずに茫然としていたスザクを見て、彼――今日の主役であるはずのルルーシュはふわりと微笑んだ。その大好きな笑顔も、今はスザクの哀しみを煽るだけだ。じんわりと滲み始めた視界で彼を見つめて、ぽつりと問いかける。


「・・・・・・な、んで」
「スザクがいないから探しにきたんだよ。俺の誕生日を、お前は祝ってくれないつもりだったのか?」
「ちがっ、そうじゃなくて・・・っ」
「うん?」


優しい声に促されるように、スザクの瞳はぽろりと涙を零した。近付いてきたルルーシュの指先が、当然のようにその涙を掬って、そのままいつものように抱き上げられる。彼に甘やかされることに慣れてしまったスザクは、縋り付くようにぎゅっと彼の服を掴んで、ぼろぼろと泣いた。ぽんぽん、と宥めるように、体温の低い手がスザクの背中を撫でる。


「ご、ごめ・・・っ、ごめんなさい、ルルーシュ」
「どうしたんだ?」
「ぼ、僕っ。るっ、ルルーシュに、ぷれぜん、とっ、準備してなく・・・って」
「・・・なんだ、そんなことを気にしていたのかお前は」
「そん、な・・・ことって・・・」


ルルーシュは小さく笑いながら、涙でぐしゃぐしゃになっているであろうスザクの顔を覗き込んで、言った。


「お前が笑って『おめでとう』って言ってくれれば、俺にとってはそれが一番のプレゼントだよ」


だからそんなに泣くな、と目尻に触れるだけのキスを落とされて、スザクはすん、と鼻を鳴らす。甘やかな光を放つ宝石のような紫の瞳をじっと見つめ、「・・・本当に?」と問いかければ、「本当だ」と間髪を入れずに返ってきて、それでようやく、スザクはほう、と僅かな吐息を洩らした。

大好きな人の、大切な誕生日を祝うためにスザクは手の甲でぐっと涙を拭うと、微笑んでいる彼の頬にちゅっと接吻けて、にっこりと笑ってみせた。


「お誕生日おめでとう、ルルーシュっ!」


感極まったルルーシュが、非力ながらも力の限りスザクを抱き締めたのはその3秒後のことだった。


――――――
ツンのときとは天と地の差がありますね。
スザクもこの頃のルルーシュに対してはもう敬語使ってませんし、何より呼び捨てですから(笑)

こんなスザクがほしいなぁ・・・。私、ショタに弱いんです。
もう本当に私だけが楽しい誕生日ですみません!(笑)

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