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コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ


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Thanks for:選択式御題

神殺しシリーズ。ルルスザ。


ここから割と急展開(笑)

というか、今更ながら、書きたいものから書いていた過去が憎いです。
もうちょっとこう・・・時系列とか色々考えながら書けばよかった!(笑)




思えば、スザクから明確にデートに誘われたのはこれが初めてだったように思う。元より幼馴染みで、休日もなにかと一緒に過ごすことの多かったルルーシュとスザクが、デートという名目で出かけることは少なかった。交際当初こそ、デートを意識して誘うことの多かったルルーシュだったが、スザクのほうは「ふたりで過ごせれば名目なんてどうでもいいんじゃないかな?」という感覚で、交際2年目を迎えた頃にはすっかりそれに感化されていた。「スザクさんとのデートはいかがでしたか?」とナナリーに訊かれて、ようやく今日のあれはデートだったのか、と思い至ったことも一度や二度じゃない。・・・ナナリーには随分と呆れられたが、それがスザクとルルーシュにとっては普通だったのである。

ふたりで過ごせれば、それだけで僕は幸せだよ。そう言ってはにかむように笑ったスザクを見て、確かにその通りだと、ルルーシュは思ったから。――だからこそ、なのだろう。今、この状況に、ルルーシュが奇妙な違和感を拭えずにいるのは。「明日、デートしようか」と、そう卒業証書を抱えて微笑んだスザクに、嬉しさを覚えたのは事実だ。だけど、それ以上の、言い知れぬ不安感が体中に渦巻き、今でもルルーシュの気分を重くさせていた。


「・・・やっぱり駄目だった・・・」


がっくりと肩を落としながら、動物園内にあるふれあいコーナーから戻ってきたスザクに、ルルーシュははっとして意識を切り替える。はぁ、と重い溜め息を洩らして、ベンチに座っているルルーシュの隣へと腰を下ろしたスザクは、自他共に認める動物好きである。が、生まれてこの方、動物に好かれた試しがないという、なんとも不幸な体質の持ち主だった。今回もいつも通り惨敗だったのだろう。すっかり落ち込んでしまったスザクの癖の強い亜麻色の髪を撫で、ルルーシュは小さく苦笑する。


「まぁ、そう落ち込むな。いつものことだろう?」
「うぅっ。ルルーシュ・・・それ、慰めになってない・・・」
「そうか? じゃあ、また次があるんだから、それに期待していろ」
「――――いよ」
「え?」


きょとんとして聞き直すルルーシュに、スザクはなんでもないよ、と静かに首を振って。


「今日は特別な日だから。神様も許してくれるかなって思ったけど、やっぱり駄目だったみたい」


困ったように眉尻を下げて、笑った。――とくべつ? その言葉に、一体なにが特別なんだと問いかけようとしたルルーシュの先手を打つようにスザクはすくりと立ち上がった。「一通り回ったことだし、そろそろ帰ろうか」そう言って振り返ったスザクの顔にはいつも通りの笑みが浮かんでいて・・・ルルーシュは、彼に〝特別〟の意味が問えなかったことを、少しだけ安堵していた。


(馬鹿か、俺は・・・)


自嘲するように唇の端を吊り上げ、ルルーシュは一瞬でもほっとした自分にかぶりを振った。答えを聞いたら、すべてが終わってしまうような気がした、だなんて。そんなこと。


(あるわけがないだろう)


――そう、あるわけが、ないのに。


「今日はありがとう、ルルーシュ。動物園なんて久しぶりだったから楽しかった」
「そういえばそうだな。最近は映画とかショッピングばかりだったし・・・春休みにもう一度ぐらい来るか? お前も早くリベンジしたいだろう?」
「リベンジって・・・僕は動物と仲良くしたいんであって、喧嘩を売りたいわけじゃないんだけど」


じっとりと睨んでくるスザクに、ルルーシュは「似たようなものだろ」と言って笑った。出口へと向かう途中で買ったナナリーへのお土産をルルーシュへと手渡しながら、スザクはいささか呆れたような声音で続けた。


「それに、ルルーシュは春から大学生だろ? ちゃんとそっちの準備しなよ」
「それでもお前と出かけるぐらいの時間は取れるさ。・・・それにお前がいないと思っただけで俺の大学生活への期待感は7割減だ」
「ルルーシュ、それは・・・」
「わかってるよ。・・・お前は、家を継ぐんだもんな・・・」


枢木の家を継ぐ。その理由で、スザクは大学を受験しなかった。元々――それこそ、高校入学当初から、それは決めていたらしい。いつか家を継ぐにしても、大学は行くだろうと思っていたルルーシュはそれはもう驚いたし、説得もしたが、一度決めたら梃子でも動かないスザクのことだ。最終的には、溜め息交じりではあったものの、ルルーシュはその意思を尊重した。


「できる限り時間を作るようにするから、お前もちゃんと俺のために時間を割けよ?」
「・・・・・・・・・」
「・・・スザク?」


冗談めかして続けた言葉に、スザクは返事をしなかった。僅かに俯けてしまったその表情を覗き込もうとして、不意にその体を引き寄せられ――唇に、刹那の温もりを感じた。それが、スザクの唇だと気付いたときには、もう彼はルルーシュから2~3歩離れた距離に立っていて。


「・・・やっぱり、自分からするのって恥ずかしいね」
「すざ・・・」
「ルルーシュ、ごめん。君の家に寄る約束だったけど、もうこれで帰ることにするよ」
「ちょっ、ちょっと待て、スザ――っ」


どこか早口に告げる彼を、追い留めようとして伸ばした手は。


「ばいばい。ルルーシュ」


そう言って微笑む恋人を前にして、動かなくなった。優しくて哀しくて、苦しくて愛しくて、それでもやっぱり果てがないほどに優しいスザクの微笑に、足と腕と心を縫いとめられたルルーシュは、それから自分がどうやって家まで帰ったかのさえ思い出せなかった。





それは、ルルーシュの許にスザクの死の報せが届く、前日のことだった。


――――――
承知の上だとは思いますが、スザクは死んでませんよっ!
これは死ネタのバッドエンドではありませんので!!(超必死)

実際のところは、これのあとに「四月に朽ちて五月に墓をつくる笑いあった六月は永遠に こない」が来ればよかったんですよねー(今更ですが)

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