コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
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願いごとシリーズ。スザルル。 クリスマスのスザルル編。 なんか本編よりもちょっと進展しているふたりです。 今のうじうじでクリスマスはちょっと書けなかった・・・!(涙) そしてやっぱり25日中には書き上げられませんでした・・・(ぐすっ) でも10分オーバーなだけなので許して下さい~っ! 「・・・38.6℃。完全に風邪だな」 「えっ、そんなに高かった?」 呆れ返ったような同居人の声を聞き、スザクはその体温計を覗き込もうと体を起こした。だが、すぐさま「起き上がるな、寝ていろ」とベッドの中へと押し戻され、苦笑を浮かべてルルーシュを見上げた。皺の寄った眉間を眺め、そんな顔してたら癖になっちゃうんじゃないかなぁ、などと呑気に考えながら、口を開く。 「・・・ルルーシュ、君もそろそろ出る準備しないと。弟さんと妹さんが待ってるんでしょ?」 「何を言ってるんだお前は。こんな状態のお前をひとり置いていけるわけが・・・」 「僕は大丈夫だよ。それよりも、ちゃんと家族との約束を優先して?」 「しかし・・・」 「せっかくのクリスマスなのに、ルルーシュが帰ってこないって知ったらきっとふたりともすっごく残念がるよ」 スザクの言葉に、ルルーシュは迷うように口を噤む。スザクとしては、自分の体調不良の所為でルルーシュが最愛の妹弟に会えなくなるという事態は避けたいところだ。今日のためにプレゼントまで選んでいた彼を知っているだけに、そんなことになったら申し訳なさすぎる。スザクは妹のほう・・・しかも小鳥の姿でしか知らないから想像するしかないが、ふたりだってルルーシュが帰ってくるのを楽しみにしているはずだ。――それに。 (僕としても、今日このままルルーシュが家にいると困るんだよね・・・) 看病してくれようとするその気持ちはすごくありがたいし、体調が悪いときにこうして人が傍にいるのなんて両親が生きていた幼少以来だから、多少の照れ臭さもあるが、そのこそばゆさだって決して悪いものじゃない。本来だったら熱による倦怠感に甘えてその厚意を受け取るところではあるのだが、如何せん時期が悪かった。 (クリスマスって稼ぎどきだからなぁ) その稼ぎどきに風邪を引いた自分が悪いことは百も承知だが、だからといってそのチャンスを棒に振れるほど、スザクの懐具合は優しくない。ルルーシュが実家に帰る――というとひどく誤解を招きそうだが、そのことも踏まえて、今日はびっしりとバイトの予定を入れてしまっているのである。ルルーシュがこんな状態のスザクの外出を許すわけがないし、ここはなんとしても妹弟のもとへと送り出さなければ。 「プレゼントだってせっかく買ったんでしょう? 持って帰ったらきっと喜ぶと思うけどなぁ」 「・・・・・・大人しく寝てるって約束できるか?」 「もちろん!」 満面の笑みを浮かべて頷くスザクを見て少しは安心したのだろう。ルルーシュは険しかった表情を僅かに緩め、「できるだけ早く帰ってくるようにするから」と言った。・・・スザクは内心ガッツポーズである。しかもルルーシュの声には嬉しそうな響きが僅かながら滲んでおり、それを聞くだけでもこの選択は間違っていなかったと断言できる。 「いいか、絶対に大人しくしているんだぞ」 妹弟へのプレゼントを抱え、ルルーシュは顰めっ面で言い募る。まるで幼い子供に言い聞かせるような口調に思わずスザクは苦笑して、ベッドの中から「いってらっしゃい」とその姿を見送った。ぱたん、と自室の扉は閉じられ、遠退いていく気配を探るように神経を集中させる。静寂の中、時計の秒針が時を刻む音だけを聞き、待つこと2分ほど。よし、と頷いたスザクは早々にベッドから体を起こすと、服を着替えてコートを羽織りながら玄関へと向かった。思いの外ルルーシュが粘ったものだから、最初のバイト時間まで結構ぎりぎりだ。運動靴の爪先をとんとんと地面に付きながら鍵を開け、ドアノブを回しながら押し――外に誰かが立っていることに気付いた。 「・・・・・・あ」 「やっぱりな」 じろりと睨み付けてくるその瞳は至上の紫。壁に背を預け、玄関を開けた瞬間に目に入る位置を陣取っていた美貌の同居人の姿に、スザクは引き攣る表情筋を酷使して笑みを作ってみせた。 「る、ルルーシュ、どうしたの? 忘れ物?」 「言うことはそれだけか?」 「えーと、その・・・ごめんなさい」 よろしい、と鷹揚に頷いたルルーシュは有無を言わせずスザクを室内へと押し込んで、当然のように自身もそのあとに続いた。ベッドに戻るよう促す彼に反抗する勇気はスザクにはなく、ささやかな抵抗として「妹さんと弟さんはいいの?」と聞いてみるものの「病人は心配する必要ない」とにべもなく返答される始末だ。 「ほら、バイト先に休むって連絡しろ」 「・・・でも・・・」 「まさかまだ出る気だなんて言うつもりないだろうな?」 「・・・・・・わかったよ。僕の負けだ」 投げ渡された携帯と、反論は許さないとでも言いたげなルルーシュの顔とを交互に見遣り、スザクは深々と溜め息を洩らした。幸いというか、単純に時間の融通が利きやすいという理由なのだが、今日のバイト先はどこも馴染みの店だ。一度休んだくらいで二度とバイトさせて貰えなくなるということはないだろう。忙しいこの日に休むことになってしまうのは申し訳ないが、これ以上ルルーシュの怒りを買う気にはどうしてもなれなかった。 「――あ、もしもし。枢木ですが・・・」 見張られている状態での電話対応は非常に居心地が悪かった。僅か30分もしない内にベッドへと逆戻りすることとなったスザクは、熱から来る体のだるさに息を吐いた。・・・ひょっとしたら熱が上がったのかもしれない。これでバイトに出ようとしたのはさすがに無茶だったかも、と僅かに反省しつつ、額に熱冷ましを貼り付けてくれるルルーシュを見上げる。 「ルルーシュ、ごめんね。せっかく妹さん達とクリスマスを過ごせるはずだったのに・・・」 「別に構わないさ。元々クリスマスなんて人間界の行事はブリタニアじゃあ関係ないからな。まぁ、乗ってみるのも悪くないと思っただけだ」 「・・・そうだったの?」 「あぁ。だから気にするな。それに、熱を出しているお前を置いて帰ったりしたら、それこそナナリーに叱られてしまう」 なにせお前はナナリーの命の恩人なんだからな、とどこか誇らしげに笑うルルーシュに、スザクも少しだけほっとして笑みを浮かべた。自分のバイトはとにかく、この特別な日に妹弟からルルーシュを奪ってしまったことはどうお詫びすればわからなかったから。 「じゃあ、今年のクリスマスは僕がルルーシュを独り占めにしちゃうわけかー・・・」 「まぁ、そうなるな。――どうだ、嬉しいだろう?」 「うん、嬉しいよ。死ぬほど嬉しい」 「な・・・っ!」 にっこりと微笑むスザクに、ルルーシュの顔に朱が走る。その初々しい反応はスザクの笑みを深めさせ、胸に湧き上がる愛しさにそっと目を細めた。 「ば、馬鹿なこと言ってないでさっさと寝ろっ。治ったら改めてクリスマスでもなんでも一緒に祝ってやるから」 「・・・うん、そうだね」 (もう死んでもいいかも、なんて思ったけど) それはどうやら撤回することになりそうだ。だって、彼にそんなこと言われたら、意地でも一緒にクリスマスを祝いたくなる自分がいるのだから。 ―――――― 途中大分話がずれて焦りました。 おかしいな、何が原因だかさっぱりわからない! まぁ、無理矢理でもなんとか着地できたので(それでも当初の着地予定地点からは5メートルぐらいずれてそうですが)よしとします。 スザクの今日のバイトはきっとケーキ屋と飲食店だと思われます(笑) PR この記事にコメントする
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