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コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ


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Thanks for:hazy

少女騎士シリーズ。ルルスザ♀。


メリークリスマス!
・・・というわけで、クリスマスのルルスザ編です。


スザルル編も今日中にupしたい・・・!
っていうか、クリスマス前にわたぼくを一作書けているはずだったのにな・・・(遠い目)




すうすう、と。安らかな寝息を立てる自分の騎士を見下ろし、ルルーシュはしばし固まった。面白くもない社交パーティーを適当な時間で辞して自室へと戻ったルルーシュの心情は、決して軽いものではなかった。出たくもないパーティーに駆り出されたことも原因のひとつではある。だが、それ以上にルルーシュの気分を下降させていたのは至上の騎士であり、最愛の恋人であるスザクの不在だった。

誰もが浮き足立つこの季節。その隙を突いたのか、それともこの雰囲気に乗せられて妙な方向にテンションが上がったのか。縁もゆかりもない植民地エリアでのことなど、ルルーシュは一切興味がないが、その地にて起きたテロに自分の騎士が派遣された事実はどうやっても覆せることではない。戦場を駆ける白き死神としてのスザクは、危険に巻き込みたくないというルルーシュの心情を置き去りにしていまだ衰えを知らず、有事の際には必ずといっていいほど声をかけられる存在だ。今回も例に洩れず呼び出しがかかり――もちろんルルーシュは毎回の如くスザクの出撃を拒絶しよう試みるのだが、当人である騎士自身が「放っておけばルルーシュにも火の粉が降りかかるかもしれない。災いの芽は小さい内に摘んでおくべきだよ」と言って聞かないのである――クリスマスの帰還は諦めていた。

・・・にも関わらず。


(どうしてコイツがここで寝てるんだ!?)


ルルーシュの見立てでは、帰還はどんなに早くても年の瀬だ。まぁ、指揮を執るのが自分やシュナイゼルだったならば話は別だが、件のエリアの総督では逆立ちしたってこんな短期間での決着は無理だ。断言してもいい。さては咲世子の変装か――そこまで考えたところで、ルルーシュの寝台で寝息を立てている少女が小さく身じろいだ。丸くなった体をころりと転がし、覚醒を促すようにしなやかな四肢がゆるゆると伸びていく。その動きは、ルルーシュにとってひどく見覚えのあるもので・・・。


「す、ざく・・・?」
「ん・・・ぅ」


まろやかな頬を指先でするりと撫でると、唇が嬉しそうに綻んで擦り寄ってくる。そこでようやく、ルルーシュは目の前にいるのが最愛の恋人であることを認めて、小さく笑みを洩らした。まどろんでいるときのスザクの癖は、彼女自身でさえも知らないもの。ましてや咲世子がそれを知っているわけもなく、それを知るのが自分だけだという自負に頬が緩んだ。


「ほら・・・スザク、起きろ」
「んー・・・ぅん?」


現実と夢の狭間にいる恋人に寄り添うように寝台へと腰を下ろし、甘い声で呼びかける。ルルーシュの気配には無条件で気を抜くスザクとはいえ、元より人の気配には敏感な体質だ。さしたる抵抗もなく開かれた翡翠はぼんやりと揺れ、それを覗き込むルルーシュを映し出してふわりと緩んだ。


「おかえり、ルルーシュ」
「馬鹿。それはこっちのセリフだろう」


寝起きにしてはしっかりとした口調で紡がれた言葉に、ルルーシュは小さく苦笑する。昔から――それこそまだ日本が日本として存在していた頃から、スザクの寝起きは驚くほどいい。自分の寝起きがいささかよろしくないことを自覚しているルルーシュは、幼少時このスザクの性質が羨ましかったものだ。


「それで? どんな魔法を使ってこんなに早く帰ってきたんだ?」
「やだなぁ、ルルーシュ。今日は聖夜だよ? 奇跡のひとつやふたつ、起こったっておかしくないでしょ」
「あぁ、そうだな。・・・で? どんな条件でシュナイゼル異母兄上を動かした?」
「・・・今日ぐらい誤魔化されてくれてもいいのに・・・」


わざとらしいほど朗らかに微笑んでみせたルルーシュに、スザクは不満そうに唇を尖らせた。・・・とはいえ、本気でルルーシュの追及から逃れられるとはスザク自身思っていなかったのだろう。あっさりとシュナイゼルの関与を認めて、寝転んだままだった体を起こす。

スザクが途中で仕事を投げ出して帰るとは思えない以上、反乱のほうはきっちり片を付けてきたのだろう。そして、年の瀬までかかるであろう攻略をこの短期間で終えた理由。――ルルーシュに身に覚えがないのだから、最早そこに関わってくる人物はひとりしかいない。無論、煮ても焼いても食えそうにない、むしろ食いたいとも思えないあの異母兄が無償でそれを引き受けるとは思えず。


「君が反対してた今度の作戦にランスロットで出撃することになったよ」
「お前は・・・っ!」


眉を吊り上げて怒りを露にするルルーシュに、当のスザクは「あぁ、そんな顔したらせっかくの綺麗な顔が台無しだよ」とあっけらかんとした様子で。わなわなと震えるルルーシュを宥めたいのか煽りたいのか、小さく溜め息を洩らしたのだ。


「もう・・・君って聡いのか鈍いのかホントわかんないよね」
「何がだっ! 大体、お前はわかってるのか? あの作戦はだな――」
「僕だって!」


ぴしゃり、と言い放つ自分の騎士に思わずルルーシュは口を噤み、その隙を突いて彼女は僅かに拗ねたような口調で続けた。



「――僕だって、君とクリスマスを過ごしたかったってこと」



なんでわかんないかなぁ、とぶつぶつ言い募る恋人の姿に、頭に上っていた熱は一気にその温度を下げてしまうのだから、我ながら単純なことこの上ない。代わりにむくむくと頭を擡げてきたバツの悪さに言い淀みながら、ルルーシュは口を開いた。


「だからといって異母兄上に助けを求めなくても・・・」
「あ、言っておくけど、僕からシュナイゼル殿下に掛け合ったわけじゃないからね。・・・僕だって、正直君とクリスマスを過ごすことは諦めてたんだから。そこに来て『条件さえ呑んでくれたらルルーシュとクリスマスが過ごせるよう取り計らってあげるよ』なんて言われたら僕じゃなくても飛びつきたくもなるってものだと思うけどな」
「俺は飛びつかない」
「それはルルーシュが自分の力でなんとかできるからでしょ」


呆れたように言いながら、スザクはやはりどこか拗ねたようにルルーシュの顔を覗き込んだ。「そんなことより」と続けられた声は咎めるような含みを持ち、翡翠の眼差しが誘うようにルルーシュの瞳を捕らえる。


「せっかくの聖夜をルルーシュは説教だけで終わらせる気?」


僅かに傾げられた首に、ルルーシュは一瞬だけ目を瞠り、小さく笑んだ。こつりと額同士を合わせ、翡翠に映る自分の姿をしっかりと確認できるほどの近い距離で見つめ合って。


「それは勿体無いな」


その赤い唇を啄ばんだ。


――――――
恋人のクリスマスは夜が本番だって本気で思ってる朝倉です(笑)

多分シュナイゼル殿下はお遊び5割、善意2割、自分の目的3割でスザクにあの条件を持ちかけたんだと思います。
半分がルルーシュとスザクで遊ぶためっていうのがとってもシュナイゼル兄さんらしいと思うの(私はきっと彼を誤解している)
殿下は敵にしても味方にしてもルルーシュとスザクの仲を引っ掻き回してくれるから好きです(爆)

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