コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
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願いごとシリーズ。スザルル。 スザクが大学生という設定をうっかり忘れそうになるので、ぼちぼち書いてみました。 ・・・とは言っても授業受けているとかじゃないですけど。 普通に弁当食べながら話しているだけですけど! そんなわけで、スザクとリヴァルの会話です。 えーと、あとはお詫びですね。 一週間以上放置していてすみません。 冒頭部だけで3回ほど書き直し、その上体調まで崩してしまったのは痛かった・・・! PCに向かいながら鼻水が止まらなくてさすがに書けなかったんです・・・。 ただでさえ遅筆なのに、お待たせして申し訳ありませんでした!(土下座) (好きになってもいいですか、なんて) 随分とひどいことを聞いたな、とスザクは思った。あれから一週間が経ち、表面上だけは何事もなかったように日常は続いている。スザクは相変わらず大学とバイトに忙殺されていたし、ルルーシュはルルーシュで今までと変わらずなにかと世話を焼いてくれている。・・・ただ、その紫の瞳がときどきなにか言いたげに揺らめくのを、スザクは知ってて気付かないふりをした、それだけ。今朝、どこか頼りなさげに自分を見送った彼の姿を思い出し、スザクは止まっていた箸を動かして口の中に卵焼きを放り込んだ。 (・・・あぁ、もう。なんで卵焼きひとつとってもこんな美味しいんだろ・・・) ふんわりと広がる甘さに思わず頭を抱えたくなるスザクである。手作り料理を食べるたびに惚れ直しそうで困る。好みについて明言した覚えはないのだが、いつの間にかルルーシュの作るものはすべてスザク好みの味付けになっていた。この弁当にしたって、そうだ。ルルーシュが家事を担当してくれるようになって、スザクの昼食はカロリーメイトやウィダーインゼリーから彼の手作り弁当へと化けたのである。深みへとはまっていく自分を自覚して、深々とした溜め息が洩れた。 「美味そうな弁当食いながら溜め息だなんてバチが当たるぞー?」 聞きなれた友人の声に顔を上げれば、にやにやと口角を吊り上げながら近付いてくるリヴァルの姿を見つけて、スザクは苦笑するように眉根を下げた。高校時代からの友人であるリヴァルと同じ大学に進学したのは単なる偶然だが、顔の広い彼はなにかと割りのいい短期バイトなどを紹介してくれるので正直生活面では非常に助かっている。だからこそ、その笑顔が無粋な好奇心から浮かべられているであろうことが想像できても、邪険には扱えない。 「スザクにとうとう恋人ができたっていう噂はホントだったんだな」 「・・・なにそれ」 「その弁当、恋人の手作りだろ?」 とぼけんなよー、と揶揄してくるリヴァルに、弁当についてなにかしら突っ込まれるだろうと予想していたとはいえ、辟易しそうになった。・・・というか、噂ってなんだ。スザクには恋人ができた覚えなどない。まぁ、本人の耳に入るような噂というのも少ないのだろうが、それを置いておくにしても、このままリヴァルに勘違いさせておくのは問題がありそうだ。 「・・・違うよ」 「なになに? お前、ひょっとして照れてる? 俺にまで隠すことないだろー」 「本当に違うんだってば。これは同居人が善意で作ってくれてるものなんだから」 「・・・・・・同居人?」 そう繰り返すリヴァルの声に、僅かながら硬いものが混じるのを感じ取り、スザクは慌てて首を振った。「家関係の人じゃないよ」きっぱりと否定する言葉に、彼の雰囲気から強張りが抜けた。リヴァルはスザクの生い立ちを知っている。幼い頃に両親を亡くしたことも、そのあと親族の家をたらい回しにされたことも、全部ではないにしろ一通りは知っている。好んで話したいと思うような内容ではないが、リヴァルの場合は・・・まぁ、事故みたいなものだから仕様がない。当然、現在の後見人である叔母夫婦との仲がうまくいっていないことも承知済みであるリヴァルの頭の中で、同居人イコール叔母夫婦の回し者、という構図が成り立つのもわからない話ではない。・・・だけど、違う。 「――ルルーシュは、そんなんじゃないんだよ」 そう。彼は、回し者なんかではない。スザクみたいな、どうしようもない相手と一緒にいてくれる優しい人だ。誰よりも家族を愛していて、眩しくて、温かくて――愛しいひと。スザクが初めて好きになってしまった人。焦がれてやまない人。それがルルーシュだ。ルルーシュ・ヴィ・ブリタニアという名の、美しい精霊。 「ははーん。スザク、お前さてはそのルルーシュさんとやらに片想い中だなっ?」 「・・・うん、そうだね。片想い、だ」 変なところで鋭いリヴァルに小さく苦笑を洩らし、スザクは最後の卵焼きを口の中に放り込んで弁当箱を閉じた。ご馳走様でした、と手を合わせるスザクを、リヴァルは律儀に待ってから、口を開く。 「で? 告白とかはしないのかよ」 「・・・なんか楽しそうだね、リヴァル」 「あったりまえだろー? だって、あのスザクにとうとう想い人ができたんだぜ。気にならないわけがない!」 あのスザクが、というどこか含みのある言い回しに眉を寄せるが、如何せん初恋だという自覚があるだけに下手に突っ込むとやぶへびになりそうだ。リヴァルの中の自分像が気になるところではあるが、ここは黙っておくのが無難だろう。スザクは自分の頭が判断するままに口を噤み、代わりに期待で目を輝かせている友人の欲求を満たすための返答を唇に乗せた。 「『好きになってもいいですか』とは、訊いたよ」 「は? なんだよそれ。そこはびしっと男らしく『好きだ!』って言うところだろ?」 「・・・言えないよ、そんなこと」 「なんで?」と心底不思議そうな顔をするリヴァルに、スザクはなんと言っていいかわからず閉口した。好きなのは本当。自分の内に棲まうどろどろとした醜いものを、彼は偽りない優しさで溶かしてくれる。だけど、スザクは自分で気付いているから。自分が、どうしようもなく愛とか温もりとか、そういう穏やかで尊いものに飢えていることを知っているから。 「・・・・・・可哀想、だからかな」 「なにが?」 だから、「好きになってもいいですか」なんて言葉で誤魔化した。彼が好きだ。それは多分、本来なら同性に対して抱いてはいけない類の愛情に違いない。でも、彼が好きになることを許してくれるのならば、それを友愛にしたって親愛にしたっていいと、スザクは本気で思っている。ただ、好きになることを許してほしい。それだけを許してくれたなら、自分は自分さえも誤魔化してみせるから。――スザクはそういう、どうしようもなく最低な人間なのだ。自分の気持ちを押し付けるだけ押し付けて、自分の飢えを満たすことしか考えていない。 「ルルーシュが、可哀想だから」 そんな自分に好かれた彼が、すごく可哀想だと思った。できることなら、これ以上彼を好きにならないであげたいとさえ思うほどに。 ―――――― 3歩進んで2歩戻るぐらいの心持ち(笑) ルルーシュとはいつになったらくっつくんだろう・・・。 PR この記事にコメントする
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