コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
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神殺しシリーズ。ルルスザ。 ハロウィン連載ルルスザ編! 高二ぐらいの時期を設定しています。恋人同士になったあと。 やっぱりこういうイベントにはミレイ会長でしょう!(笑) 「絶対にごめんです」 きっぱりと言い切ったルルーシュに、ミレイはひどく不満そうな声を上げた。 「だってせっかくのハロウィンなのよ?」 「ハロウィンだから仮装する、というまでは別に構いませんよ。会長の突然の思いつきは毎度のことですし、今更それをうるさく言うつもりはありません」 まぁ、控えてほしい、という気持ちは言い足りないほどあるが、今はそれを言っても詮無きことだろう。ルルーシュは自分の本音に仕方なく蓋をして、年甲斐もなく唇を尖らせているミレイを呆れ半分、怒り半分で見遣る。 「問題はその衣装ですよ。なんで俺がハロウィンの仮装で女装しなくちゃならないんです!」 「だって、ルルちゃん似合うんだもの」 満面の笑みで断言されても全然嬉しくない。むしろ不愉快だ。思わずひくつきかけたこめかみに指先で当て、ルルーシュはミレイの持っている衣装に視線を走らせた。艶やかな光沢を放つ漆黒のドレスは、男女逆転祭のときとは異なる細身のライン。シックなデザインの黒の外套と合わせると魔女の仮装かとも思えるが、小道具として準備されている牙を見る限り、吸血鬼というのが妥当な線だろう。 「いいじゃないの。目指せ吸血鬼公爵夫人! 夫役は誰の手に~ってあおり文を付けてあげるわよ?」 「なぜ夫人である必要があるんですか! 普通に吸血鬼でもいいでしょうっ!」 「そんなの普通すぎてつまらないじゃない。大丈夫よ、ルルちゃんは女王様気質だし、『そこに跪きなさい、愚弄ども!』とか鞭振るって言っちゃえば変な虫も付かないわ」 「・・・それは最早吸血鬼ではありません。というか、会長の中で俺はどういうイメージを持たれてるんですか」 心底うんざりしているルルーシュを余所に、ミレイは「あぁ、でもドエムのファンは喜んじゃうかもしれないわねぇ」と、心底楽しそうだ。・・・正直、まずいとは思っている。このままでは、ほぼなし崩し的に仮装ならぬ女装させられる。そもそも、ハロウィン前日にいきなり「仮装パーティをしましょう!」などと言い出した時点で、ミレイの中にはこの計画が含まれていたのだろう。「生徒会役員の衣装は私が準備するから心配いらないわ」とにっこり微笑まれたときに、気付くべきだった。ただ、昨日は久々にスザクが泊まりに来ると言っていた所為で半ば浮かれていて、しかもその彼が「仮装パーティなんて楽しみだな」なんて嬉しそうにするものだから、意識がそちらに向いてしまっていた。 (ひょっとしてそれも計算の内だったのか?) ぐるぐると思考しながら、逃げ道を模索するルルーシュの耳に「好い加減諦めちまえよー」というひどく無責任なリヴァルの声が届く。――諦めてなるものか! ひとり男女逆転祭のような状態は絶対にごめんである。体のあちこちに包帯を巻きつけたミイラ男の仮装をしたリヴァルをぎろりと睨み付け、ルルーシュは再度敵のほうへと意識を向ける。ルルーシュに敵と認識されたミレイはといえば、彼女の中ではもうルルーシュが吸血鬼公爵夫人の仮装をすることは決定事項らしい。ルルーシュの机の上に許可もなく衣装を置いて、現在は嬉々として化粧道具を広げている。・・・恐らくは着替え終わったルルーシュを問答無用で飾り立てるつもりだろう。 「・・・会長。俺は絶対に着ませんからね」 「ルルちゃん~。そんなこと言って、私が諦めると思ってるの~?」 「・・・くっ」 諦めないだろう。というか、この程度で諦めてくれるような人だったら、自分はおそらくここまで苦労していない。非常に残念なことに、このアッシュフォード学園という世界において、ミレイは頂点に君臨している。彼女を説得できない今、ルルーシュにできることは諦め悪く逃げ道を探すことだけだ。その逃げ道を求めて、ルルーシュが扉へと視線を走らせたのと、その扉が向こう側から開かれたのとは、ほぼ同時だった。入ってきた亜麻色のクセ毛を視認すると同時に床を蹴る。 「遅れまし――」 「スザクっ、このまま逃げるぞ!」 「う、うんっ! ・・・・・・?」 ルルーシュの勢いに思わず頷いたスザクが、一瞬の間を置いてきょとんとするのを待たずにその腕を掴んで走り出した。 「あっ、こら! 待ちなさーいッ!」 ・・・待てと言われて待つ馬鹿はいない。目をぱちくりさせながらも、引っ張られるがままに付いてくるスザクに小さく笑みを洩らし、ルルーシュはクラブハウスを後にした。 ―――――― 途中、「逃げるぞ!」と言われたスザクに「イエス、ユア・ハイネス!」と返事させかけて慌てて消しました。 危ない危ない、これは一応現代ファンタジーなパラレルだった(笑) PR この記事にコメントする
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