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コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ


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Thanks for:ユグドラシル

Dear daysシリーズと銘打っておきます。ルルスザ。

年下スザクさんをルルーシュが自分好みに育て上げていく話(半分は嘘)
皇子ルルーシュと、そこへ預けられた敗戦国の首相の息子スザクのハートフルラブストーリーです。

・・・なんか言葉を重ねれば重ねるだけ嘘っぽくなるのは何故だろう?

まぁ、要するに年の差で、今度はスザクが小さいやつが書きたかっただけです!(ぶっちゃけた!)


今回はルルーシュとスザクの出会い編。




「・・・母上? もう一度言って頂けますか・・・?」


頬をひくつかせるルルーシュの目の前で、心より敬愛する母はにっこりと微笑んでみせた。幼い頃の自分ならば、母が微笑んでいるというだけで幸せな気持ちになれたものだろう。だが、成長するにつれて、その微笑みにはいくつかの種類があり、決して優しいだけの母ではない、ということを知ってしまった。・・・つまりは、今、正に浮かべている、息子であるルルーシュで遊ぶときの悪戯っぽい微笑みなどを、だ。


「あらあら、聞こえなかったのかしら。まったくもう、私の言葉を聞き逃すなんて困った息子ね、ルルーシュ。それに、毎回のごとく思っているのだけれど――」
「そういう話はいいので早く本題に入ってくれませんかね」
「単刀直入に言ったのに、聞こえないふりをしたのはあなたでしょう?」


あくまでも楽しそうに、マリアンヌはにっこりと笑った。ルルーシュは思わず深々と溜め息を吐きかけて、慌てて踏みとどまる。今、ルルーシュが溜め息など吐こうものなら、それこそこの母は嬉々として揶揄してくるだろう。この人はそういう人だ。第一、ルルーシュは聞こえないふりをしたのではなく、嘘だと言ってほしかっただけだ。そんなささやかな息子の願いさえも、マリアンヌは聞き届けるつもりはないようだが。


「その・・・マリアンヌ様?」
「なぁに、スザクちゃん」
「・・・ちゃん? あ、いえ、それは構わないんだけど・・・じゃなくて、構わないんですが、えーと・・・ルルーシュ、殿下は嫌がっているみた・・・嫌がってるご様子ですが・・・?」
「あら、ルルーシュが私からのお願いを嫌がるわけないじゃない。・・・ね、そうでしょう、ルルーシュ?」
「・・・・・・」


ルルーシュはとりあえず押し黙った。実際、笑顔の母を前にして、ルルーシュに拒否権などあろうはずもない。使い慣れていなさそうな敬語を用いて、困惑した様子でマリアンヌを見上げている子供を、ルルーシュは見下ろす。まだ10歳にも満たないであろう、異国の子供。その子供のことを、ルルーシュは写真でのみだが見たことがあった。つい最近このブリタニアが攻め落とした国、日本の首相、枢木ゲンブの一人息子だ。国民からの支持も厚く、ブリタニアと最後まで交渉の場を持とうとした立派な人物だったと聞いている。最終的に疲弊した国のため、自らの命をもって戦争を終わらせ、日本――今のイレブンでは、それこそ英雄扱いらしいことも聞き及んでいた。ひとり残された息子をどうするか、終戦後の日本へと降り立ったシュナイゼルが珍しく頭を悩ませていると聞いて、なんとなくいい気味だ、などと意地の悪いことを考えていた頃が懐かしい。そのときは他人事であったし、なによりシュナイゼルほどの手腕があればそんなことはすぐに解決するであろうとルルーシュは思っていたから。――それが何故、今この子供はマリアンヌに連れられてここにいるのか。


「ルルーシュ、今度は聞き漏らさずにきゃんと聞いてちょうだいね」


耳を塞いで立ち去ってしまいたい衝動を抑え込み、ルルーシュは最後の抵抗とばかりに笑顔の母をじっとりと睨む。もちろん、そんなことは歯牙にもかけないマリアンヌは、自分の傍らに立っている子供の肩をぐっと前に押し出して、先ほどルルーシュが嘘だと言ってほしいと望んだ言葉を、一字一句違えることなく言った。


「今日からあなたがこの子を育てるのよ、ルルーシュ」


冗談じゃない、なんで俺が・・・! 喉もとまで上がってきた言葉を無理矢理飲み込み、ルルーシュは代わりに了承の意を口にした。満足そうに笑う母は「それじゃあ、あとは任せたわよ」などとのたまって、部屋を出て行った。残された子供は、母であるはずのマリアンヌよりもルルーシュの心を慮ってくれるのか、ひどく困った顔で苦笑している。


「えっと・・・お初お目にかかります、ルルーシュ殿下。僕・・・あ、じゃなくて、えーと、ごはいがん、しごく・・・」
「もういい。喋りやすいようもう少し砕けて話せ」


途中からイントネーションさえも怪しくなってきた子供の挨拶を制すると、彼は一瞬きょとんとして、それから嬉しそうに笑う。どうやらよほど敬語に頭を悩まされていたらしい。初めて見る困り顔以外の表情に、気楽そうな子供だな、という感想を抱いたルルーシュだが、ふと、目の前の子供が確か7歳であることを思い出し、このぐらいの齢の子供ならばこんなものだろう、と自分の感想を訂正した。・・・だが、そんな調子では困るのだ。


「枢木スザクと言ったな?」
「はい」
「お前は、自分がここに連れてこられることの意味がわかっているのか?」


ルルーシュの問いかけに、ぴたりと子供はとまった。それからそっと目線を伏せ、すぐにそれを上げる。その顔に浮かんでいたのは、ふわりとした微笑。翡翠の双眸を細め、子供はどこまでも静かな声で、「わかっています」と紡いだ。


「大丈夫です。自分の役目は、ちゃんとわかっていますから」


表面上、この子供はブリタニアに保護されたことになるだろう。だが、それはあくまでも表面上の話。その真意はおそらく牽制。イレブンには未だにブリタニアへの反抗分子が数多くいる。大小あわせたらレジスタンスなど数え切れないだろう。それらに遅れを取るブリタニアではないが、いちいち相手をするには面倒な数。その抑止力となるのが、この子供だ。英雄の子供を、日本は見捨てられない。言ってしまえば、体のいい人質。・・・それをわかった上で、この子供は笑っているのだ。


「そうか・・・ならいい」
「はい、これからご厄介になります」


ぺこりと頭を下げた子供を見て、ルルーシュは訂正までした自分の感想すべてを撤回した。この子供は、自分が子供のままではいられなくなったことをきちんと理解している。これならば自分の手が煩わされることも少ないだろう、と自分でも冷たいと思う感想を、新たに抱き直した。


――――――
こちらのゲンブパパは本当にいい人設定で(笑)
まだルルーシュの態度が冷たいですが、すぐにメロメロ(死語?)になりますよ。
だって、書きたいのはそこからなんだもの!

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