コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
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わたしの執事、ぼくのお嬢様シリーズ。スザルル♀。 書きかけ放置だったスザクの誕生日祝いです。 ・・・もう何ヶ月経ったんだって話ですよね・・・ホント、すみません・・・。 今回は珍しい過去編で、ロロとナナリーが小学校に上がる前の話。 実はまだそのころはスザクも子育てに翻弄されている時期だったりします(笑) あ、ちなみに今回はスザルルじゃないです。スザク&ランペルージ姉弟妹です。 ロロが自分の失言に気付いたのは、姉に頬を張り飛ばされた直後だった。いつもは優しい姉の、信じられない行動に目を白黒させているうちに、慌てて仲裁に入ったスザクが、ロロの目を見ずに「ごめんね」と呟いたのだ。ナナリーが泣きそうになっている。姉が怒りに震えている。――そしてロロは、その瞬間にさぁっと顔から血の気が引いていくのを感じた。 『スザクなんていらない! おかあさんじゃなくちゃやだ!!』 ――自分は、なんてことを言ってしまったのだろう。 母がいないことが寂しかった。迎えに来た母親と帰っていく同級生が羨ましかった。言ってしまえばそれだけだ。・・・それだけだったのに、こともあろうか、それをスザクにぶつけてしまった。いや、違う。ロロは、心のどこかで、スザクにならぶつけても平気だと思っていたのだ。自分達よりもずっと大人だから。強くて、立派なスザクが、自分の言葉で傷付くなんて想像もしなかった。 だけど事実、それからスザクは変わった。ロロ達と目を合わすことがななくなった。叱ることも、微笑むことも、褒めてくれることも、頭を撫でてくれることもない。毎朝欠かすことなく行なわれていた額へのキスも、寝る前に読んでくれていた絵本も、全部、みんな、あの日からなくなってしまった。 (ぼくのせいだ) 自分の所為で、ルルーシュやナナリーまでスザクに嫌われてしまった。そう思うたびに涙が止まらなくなる。スザクに謝ろうにも、そのタイミングさえうまく掴めない。今まで、スザクがロロ達の話を聞いてくれなかったことなんてなかった。言いたいことがあればすぐに察してくれたし、家事の最中でも話し終わるまで待ってくれた。そういうスザクの優しさにずっと甘えていたのだと、こうなってから初めてロロはそれに気付いたのだ。 「ロロ、いっしょにケーキをやきましょう!」 ぱん、と手を合わせたナナリーが、泣いているロロの前で、にっこりと笑った。あまりにも唐突な誘いに、ロロの涙は驚きで引っ込んでしまったし、そんな自分をを慰めていた姉も目をぱちくりさせている。 「あさってはスザクのおたんじょうびだもの。だから、ケーキといっしょにごめんなさいしましょう?」 だが、それに気付く様子もないロロの半身は、目をきらきらさせて言い募った。スザクは、ロロ達の誕生日に必ずケーキを焼いてくれる。ルルーシュのときには、大きなケーキをひとつ。ロロとナナリーのときには、少し小さめのケーキをふたつ。・・・けれど、スザク自身の誕生日には、ケーキがない。最初こそ渋った姉が、ナナリーの計画に乗ったのは、きっとそこに思うところがあったからだろう。ロロとナナリーがオーブンに決して近付かないことを条件に、3人でケーキを作り始めた。 そして――結果だけを先に述べてしまうのなら、ケーキ作りはルルーシュの火傷という大失敗で終わった。大きな物音を聞いて駆けつけてきたスザクの処置によって惨事は免れたが、ルルーシュの火傷の手当てを終えたあとに待っていたのは、ものすごく怖い顔をしたスザクだった。その顔を見たときばかりは、ロロも決定的に嫌われたんだと絶望しかけたが、彼の口から飛び出したのは「火傷だけで済まなかったらどうするつもりだ!」という3姉弟妹の身を案じるものだった。――今にもあとにも、叱られて嬉しいと思ったのはこの日だけだ。 「火を扱うときには絶対に声をかけるよう言って――え?」 そして、きっとそれを思ったのはロロだけじゃなかった。大きな瞳をまんまるくしながら、ぽろぽろと涙を零すナナリーも、綺麗な顔を伏せながら、小さく体を震わせるルルーシュも、きっとロロと同じ気持ちだったはずだ。 「え、ちょっ、えぇ? 僕、そんなに口調きつかった・・・?」 「す、ざく・・・っ」 「ロロまで!?」 「ごめ、んなさいぃぃ!!」 だからこそロロは、おろおろとしているスザクを見上げながら、泣いた。泣いて泣いて、泣きじゃくって、自分でもなにを言っているかわからないぐらいに混乱したまま、声を絞り出し続けた。いらないって言ってごめんなさい、ナナリー達を怒らないで、スザク、誕生日、ケーキ、ごめんなさい・・・・・・やがて辛うじて文章だった言葉は単語に成り果て、嫌わないで、という一言を最後に、すべて嗚咽の中に沈んだ。言いたいことはもっとたくさんあるはずなのに、それが上手く言葉にできないことがもどかしくて涙が止まらなくて――ぽん、と頭の上に手が置かれたのは、そんなどうしようもない感情をロロが持て余したときだった。手の先には、ロロと視線を合わせるように屈み込んだスザクが、少しだけ困ったように、でもすごく優しい顔で笑っていて。 「僕がロロのことを嫌いになるわけないでしょ? こんなに大好きなのに」 もちろん、ルルーシュとナナリーもね。そう続けるスザクに、ロロ達は一も二もなく飛びついた。 ―――――― このあと、スザクの誕生日ケーキをどうするかという話になり、スザク「じゃあ、4人で作ろうか」ルル「スザクは主役だから駄目!」ナナリー「わたしたちがつくるんだもん!」ロロ「スザクは手出しちゃだめ!」とかいう心温まる一幕もあったんですが、あまりにも長すぎるし、終わらないので切りました(笑) そしたら誕生日がおまけのような扱いに・・・(汗) まぁ、もともとこのエピソード自体、本編でやれたらいいなぁ、と思って温めていたネタだったので仕方ないといえば仕方ないかもしれませんが(苦笑) ちなみに、カップリングなりきり質問のときにルルーシュが言っていた「スザクは怒るとなにも言わなくなる」っていうのはここら辺のエピソードから起因しています。 とは言っても、スザクはロロに怒っていたというより、自分のふがいなさに打ちのめされていたというか、自己嫌悪していたというか、むしろ自分自身に怒っていたので、他に当たったりしないように黙っていただけですので、実はそこら辺はルルーシュ達の勘違いだったりします(笑) 多分、本当の意味でこのスザクがルルーシュ達に怒ったことってないんじゃないかな? PR この記事にコメントする
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