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コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ


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Thanks for:選択式御題

Dear daysシリーズ。ルルスザ。


ハッピーニューイヤー!
今回はルルスザナナユフィでお正月です☆(要するに馬鹿話)

あ、言うまでもなくルルーシュがデレたあとの話です。
今更だけど、本編はまだデレてないんだよなぁ・・・早くそこまで書きたい・・・。




「あけましておめでとうございます、スザク。これは私からのお年玉です」


にこにことした無邪気な笑顔と共に差し出されたそれは、スザクの中のお年玉という概念をことごとく無視した代物だった。厚さが優に1センチを超える茶封筒に入ったお年玉なんて見たことがない。袖の下、という言葉がちらりと頭を掠め、スザクはそれを持ってきた桃色の皇女をおずおずと見上げる。


「・・・ゆ、ユフィ・・・その、お年玉ってなにか、ちゃんと知ってる?」
「えぇ、もちろん! 紙でできた袋にお金を入れて子供に渡すものでしょう?」

(アバウトすぎる・・・!)


異文化が勘違いされやすいものだということはスザクもなんとなくわかっていたし、国としての名を奪われている日本の慣習を、こうしてスザクのために準備してくれることは嬉しくも思う。だが、悲しいかな。こんな大金は、たとえどんな大義名分があっても受け取れない。いや、そもそもお年玉なんて大義名分でもなんでもないのだが。


「ユフィ・・・お年玉の袋は封筒はまったくの別物だぞ」


ぐるぐると悩むスザクの後ろで、呆れたような溜め息が洩れた。まるで悩まなくていいぞ、とでも言うようにスザクの頭を軽く撫で、綺麗な濡れ羽色の髪を持つ黒の皇子は、無邪気な皇女を諌めるように口を開く。


「お年玉をいれる袋はぽち袋と言ってな。ほら、こんなに小さい袋なんだ」
「まぁ、本当に小さい・・・いくつに分けたら全部入るかしら・・・」
「いや、そういうことじゃなくてな・・・」


本気で首を傾げるユーフェミアを見て、ルルーシュは半ば諦めたようにかぶりを振った。スザクもこれにはもう苦笑しか浮かんでこない。分割で贈られるお年玉など、それこそ前代未聞だろう。


「とりあえずスザク・・・これは俺からのお年玉だ」
「え? ルルーシュも?」
「なんだ? 俺がお年玉を準備していたらおかしいか?」


器用に片眉を持ち上げてみせたルルーシュに、スザクは慌てて首を振りながら、差し出されたぽち袋を受け取った。よくよく考えれば、ルルーシュがユーフェミアに見せるためだけにぽち袋を持っていたとは考えにくい。先ほどはユーフェミアのお年玉のインパクトが強くて気付かなかったけれど、あれはスザクのために準備されていたものに違いないのだ。貰えるとは夢にも思っていなかったお年玉がふたつも――まぁ、ひとつは気持ちだけ受け取る形になりそうだが――用意されているなんて、なんだか少しこそばゆい感じがした。人質同然の自分がこんなものを受け取っていいはずがないという、普段ならば浮かぶであろう憂慮も忘れ、スザクは心持ちわくわくとして、「開けてもいい?」とルルーシュを仰ぎ見た。「あぁ、もちろん」と答える大好きな人の許可を得て、スザクは薄いぽち袋の口を開き、そして――。


「・・・・・・え?」


――見事に固まった。


「え? え? なんでお年玉に小切手??」
「その袋じゃあ、入る枚数に限りがあるからな。好きな数字を書いていいぞ」
「しかも無記入!!?」


思わず愕然とするスザクをよそに、「まぁ、素敵! 確かにそれはいい考えね、ルルーシュ」とユーフェミアはぽんと手を打っていて。・・・この人達、母親は違っていてもやはり兄妹なんだなぁ、とスザクは気が遠くなる思いをした。


「まったくもう・・・お兄様もユフィ姉さまも、もう少しスザクのことも考えてあげて下さい」


さも嘆かわしげに兄姉を窘めた声は、部屋の入り口からもたらされた。自分の手足のように車椅子を操りながら部屋へと入ってきたナナリーは、いつから聞いていたのか、すごく訳知り顔でスザクを抱き寄せる。


「そんなことしたらスザクが恐縮してしまいます」


まったくもってそのとおりなのだが、なんとなくこの展開に既視感を覚えずにはいられないスザクである。


「ひょっ、ひょっとしてナナリーも・・・?」
「はい。私からのお年玉です」


どうぞ、と言って差し出されたぽち袋を受け取るにはいささか抵抗があった。・・・が、先のルルーシュとユーフェミアがそうであったように、ナナリーのそれも優しさと思いやりに端を発しているのである。当然断れるわけもなく、若干引き攣りながらも礼を述べたスザクは、そのぽち袋を手にした瞬間、そのどうしようもない違和感に一瞬動きが止まった。――固いのだ。握ったぽち袋の感触が、どう考えても紙じゃない。思わず開けたくない衝動に駆られるが、期待に満ちたようなナナリーを視線を裏切ることなんてスザクにはできず。怖々と、スザクはぽち袋の口に指を伸ばした。


「・・・こ、これって・・・」
「なるほど・・・ブラックカードとは、考えたなナナリー」
「はい、お兄様。これならほしいものができたときにすぐ使えると思ったんです」
「よかったですね、スザク」


頭を撫でてくれる温かい手。いつもと変わらない優しさでスザクを包んでくれる兄妹達には悪気なんてない。あるのは純粋なる厚意と好意だけだ。――だけど。


「どれも受け取れないよ!」


うっかりすれば泣いてしまいそうになりながら、スザクはそう叫ばずにはいられなかった。


――――――
金銭感覚がおかしい以前に常識離れしたブリタニア皇族の皆様でした(笑)
このシリーズのルルーシュはスザクが関わると常識をかなぐり捨ててしまうのでストッパーがいないのです。

ちなみにこのあとの収拾はきっとコーネリア姉さまあたりがつけてくれると思います。
ルルーシュ達3人はもちろん怒られますが、結局マリアンヌ母さんとかも首を突っ込んだりして、最終的にスザクは全部のお年玉を受け取るハメになるんじゃないかな、と妄想中(馬鹿)

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