コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
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Thanks for:選択式御題
願いごとシリーズ。スザルル。 遅くなりましたが、スザ誕スザルル編です。 せっかくの誕生日なのでちょっと甘くしてみたつもり(当社比) 現在書いているものより、ちょっとあとの話になりますー。 スザルルでスザクの誕生日なら、「プレゼント? じゃあ、君がほしいな(にこ)」的な展開が書いてみたかったんですが、よくよく考えてみるとウチのスザクは誰もそんなこと言ってくれそうにないという事実に気付きました。なんてこった! もう少し物語が進めば言ってくれる日が来るかもしれないと夢見ておきます(笑) ケーキの入った白い箱を両手で抱えたまま、ルルーシュはぴしりと固まった。 「・・・今、なんて言った?」 「え? あまりもので悪いけど、なんて言われたけど充分だよね、って」 「違う、その前だ」 「? 店長さんがまめな人だから?」 「もっと前!」 「・・・・・・はい、これ、お土産」 「戻りすぎだ!」 なんで伝わらないんだ、と思わず地団太を踏みそうになって、その直前にケーキを持っていることを思い出してやめる。どうしてひとつの言葉を引き出すだけなのに、こんなにも時間が必要なのか。未だ目をぱちくりさせているスザクをぎろりと睨み付ければ、彼はしばし悩むように小首を傾げてから、自信なさげに言った。 「バイト先のケーキ屋さんの店長さんが、誕生日だからってケーキくれたんだ・・・?」 「それだ」 ようやく引き出せた問題の発言に、ルルーシュは鷹揚に頷いてみせる。お土産、などと言われて素直にケーキの箱を受け取った挙句、「お前がお土産なんて珍しいな。明日は雨でも降るんじゃないか?」とか返してしまったルルーシュは、その後に続いた先のスザクの発言によって、一切の思考能力を奪われたのだ。 「えーと・・・ごめん、ルルーシュ。もしかして、なにか怒ってる・・・?」 「怒る? 怒ってるかだって?」 「あ、いや。怒ってないならいいんだけど・・・」 「怒ってるに決まってるだろう!」 あ、やっぱり怒ってるんだ・・・と続いたスザクの呟きはこの際無視して、ルルーシュは白いケーキの箱を片手で持ち直しながら、苦笑する彼の眼前にびしりと指を突き出した。 「誕生日なら、何故もっと早く言わないんだ! それを知っていればこっちだって色々と準備したものを・・・っ!」 「え? ひょっとして祝ってくれるつもりだった?」 「・・・なんだ? 俺に祝われるのは不快か?」 「ううんっ、まさか! そんなことない!」 ぶんぶんと首を振ってそれを否定したスザクが、「ただ、この年になって祝って貰うのって結構照れ臭いなって思って・・・」と続けて、はにかむようにして笑うから。ルルーシュは、手に持った白い箱へと視線を下ろして、馬鹿が、と心の中で小さく毒づいた。 (子供の頃だって、どうせ祝って貰った経験なんてほとんどないくせに・・・) 親戚中をたらい回しにされていたスザクは、きっとその誕生日さえも蔑ろにされていたに違いない。それは、スザクの環境を聞きかじっただけのルルーシュでさえも簡単に想像できることで。――だから、そんな幸せそうな顔なんて、しないでほしかった。 「ありがとう、ルルーシュ。その気持ちだけで、僕は充分嬉しいよ」 知らなかったとはいえ、危うく誕生日をそのまま通り過ぎてしまうところだった自分に、お礼なんて言わないでほしかった。ルルーシュはぐっと唇を噛み締めて息を吐き、それからばっと顔を上げた。プレゼントは用意していない。だけど、それでもルルーシュにだって、スザクを祝うことができるし、できることだってあるのだ。 「スザク、俺からの誕生日プレゼントだ。願いごとを言え」 「え?」 「だから、俺がお前の願いを叶えてやると言っているんだ。なんだっていいぞ? なんたって俺は精霊だからな」 「そんなのいいってば、ルルーシュ。そもそも、君はもう僕の願いを叶えてくれてるじゃない」 「うるさい。誕生日プレゼントだと言っているだろう。黙ってお前は俺に祝われてればいいんだ」 胸を張るようにして言いきれば、スザクは一瞬だけきょとんとして、それから横暴だなぁ、と小さく笑った。それから、悩むようにしてぐるりと視線を巡らし、翡翠の瞳を柔らかく細めて、じゃあ・・・と口を開く。 「――頭、撫でてくれる?」 「・・・は?」 「ルルーシュに頭を撫でてほしい。・・・それじゃあ、駄目かな?」 「いや、駄目じゃ、ないが・・・」 ――本当にそれでいいのか、お前。 思わず飛び出そうになった疑問は、嬉しそうに微笑むスザクを前にして喉の奥に消えていった。いそいそと椅子に腰かけたスザクは、茶色の頭をルルーシュのほうへと傾ける。それにつられるようにしてテーブルへとケーキの箱を下ろしたルルーシュはゆっくりと手を伸ばして・・・あちこちに跳ねる癖毛に、そっと指先を沈めた。姉弟の頭を撫でていたときの感触を思い出しながら、労わるように、慈しむように、ふわりふわりと頭を撫でれば、スザクはまるで身を任せた猫のようにその瞳を閉じて。 「僕ね、ルルーシュの手が好きなんだ」 夢見心地のような声音で、言った。 「家族を愛すためにある、優しくて、強い、ルルーシュの手が大好きだよ」 ・・・スザクが、ストレートに好意を口にするのは珍しい。だから、というわけではないが、弧を描いた唇が紡ぐその言葉に、ルルーシュはそうか、と返すのが精一杯だった。おかげ、頭を撫でる手のひらの動きはしばらくとめられそうにない。赤くなった頬を誤魔化すように、ルルーシュは密かにそう思った。 ―――――― 相変わらずピュアで白いスザクでした(笑) このシリーズのスザクはどこまでも純情な白スザクなんですっ! PR この記事にコメントする
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