コードギアスのルルーシュとスザクにひたすら愛を捧げているテキストブログ
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少女騎士シリーズ。ルルスザ♀。 30000HIT記念。3回連続更新第三回目。 三回目は思いがけずスザクの誕生日になったので、そちらを書くことにしました(笑) せっかくの記念ものなのに、ひとつが番外編とかですみません・・・(滝汗) でも「3回連続更新」なのに、途中で違うシリーズの番外とか入れたくなかったんですよー!(じたばた) というわけで、スザク、ハッピーバースデー!! このシリーズでは滅多に書く機会がなさそうな幼少期でバースデーです。 ルルスザというよりはルルスザナナの幼馴染みでほのぼのって感じですが。 生まれて初めて作ったバースデーケーキは、味はともかくとしても、見目のほうはお世辞にも褒められたものではなかった。しかも小さいし、自分達が皇宮に住んでいた頃、誕生日のたびに振舞われていたものとは比べものにならない。それでも、枢木の家に預けられている今の身分では作り直すことなどできるはずもなく、恥を覚悟でスザクへと差し出したのだが、今日の主役といっても過言ではない当の本人は、それを見てきょとんと首を傾げたのだった。 「・・・なんだ、これ?」 「ケーキだよ。・・・悪かったな、そう見えないほど不恰好で」 「? 別にそんなこと言ってないだろ。なんでケーキなんだよ? ナナリーが食べたがったのか?」 「いえ、これは私にではなくて・・・」 「じゃあ、なんで?」 心底不思議そうに問いかけてくるスザクを見て、ルルーシュとナナリーは思わず顔を見合わせてしまった。・・・そう来るとは思わなかった。だって、今日はスザクの誕生日なのだ。本来の性別とは異なるものの、彼女は枢木の嫡男として育てられているのだ。振舞われるバースデーケーキもさぞ立派なことだろう。昔ならばともかく、現在ならば誕生日にケーキを食べるのは日本でも習慣化してきているのだから。――まさか。 「スザク、その・・・君、今日が誕生日じゃなかったか・・・?」 「なんだよ、急に。っていうか、よく覚えてたな、そんなの」 よかった。間違ってなかった。思わずほっとしてしまったルルーシュを余所に、「それがケーキとなんの関係があるんだよ」とスザクは少しむっとしたように唇を尖らせた。 「スザクさん、これはスザクさんへのバースデーケーキなんですよ」 「バースデーケーキ・・・?」 「誕生日にはケーキやご馳走を食べてお祝いするだろう? だから、その・・・枢木のお祝いと比べたら大したものじゃないかもしれないが・・・」 「はぁ? なんで俺の誕生日にそんなことするんだよ。神楽耶の誕生日ならまだしも・・・」 そう言って顔を顰めたスザクを見て、ルルーシュがぎょっとしたのは、最初の数秒だけだった。今でこそ、道場に通ったり、山を探検したりと、色々と活動的なスザクだが、7歳まではほとんど外に出して貰えなかったらしい。その頃を知らないだけについ忘れがちだが、基本的にスザクは世間知らずだ。しかも枢木の家はその家柄のわりに使用人の数も少ない。スザクの近くにいる人間なんて、それこそ彼女の主治医とかいう胡散臭い男ひとりだけだ。あの男が、スザクの誕生日を祝ってケーキを準備する姿など想像できず。 「・・・スザクさん。誰の誕生日かなんて関係ないんですよ。スザクさんの誕生日だって、きちんとお祝いしないと駄目なんです」 「そうなのか?」 「そうだよ。誕生日おめでとう、生まれてきてくれてありがとうって、感謝するんだ」 「・・・そういえば、師匠達がおめでとうとか、言ってた気がする」 ナナリーとルルーシュに代わる代わる説得され、スザクは少し難しい顔で唸った。それを聞いて、ルルーシュは思わず少しだけほっとしてしまった。スザクの誕生日を祝う人間が誰もいなかったわけではない。今まで誰にも祝って貰えていなかったのだとしたら、それはものすごく寂しいことだと思うから。・・・まぁ、スザクには通じていなかったようなのだけど。 「だから・・・ほら、ケーキ。誕生日おめでとう、スザク」 「私からも、おめでとうございます、スザクさん」 小さなケーキの乗った皿をスザクに持たせると、彼女は少しだけ照れたように視線を泳がせてから、「ありがとう」と笑った。はにかむような、それでいて、きらきらと輝く笑顔。その笑顔は、最近スザクに淡い恋心を抱くようになったルルーシュの心臓を飛び上がらせるには充分な代物で。 「ほ、本当のバースデーケーキはこんな小さくないんだ。もっと立派だし、見た目だって、こんな不恰好じゃない」 「なんだよ、それー。ルルーシュが作ったんだろ?」 「そうだけど・・・っ! だ、だから・・・その、今年はこんなのになっちゃったけど、いつか、ちゃんとしたバースデーケーキを作るから」 「・・・? 俺はこれで充分だけど?」 「そうじゃなくてっ」 なんと言っていいかわからず言葉を濁すルルーシュに、スザクはその茶色の頭かくんと傾げた。今まで何度となく思ったことではあるが、スザクは本当に空気が読めないというか、天然で困る。真正直にこれからも祝いたいと言えない自分にも問題はあるのだろうが、こんな粗末なケーキで満足するなと声を大にして言いたい。そんなルルーシュの葛藤も、妹にはお見通しなのだろう。くすくすと笑みを洩らしながら、ナナリーはそっとスザクの名前を呼んで、言った。 「お兄様は悔しいんですよ、スザクさんの誕生日をきちんと祝えなくて」 「・・・そうなのか? まぁ、ルルーシュは負けず嫌いだからなぁ」 「そうなんです。だから、またリベンジさせてあげて下さいね」 「そういうことなら、そう言えばいいだろ。楽しみにしてるからな、ルルーシュ!」 「・・・・・・」 満面の笑みを浮かべるスザクを見て、正直ルルーシュの内心は複雑だ。別にナナリーの言っていることが間違っているわけではないし、今はまだ彼女に想いを告げるつもりはないから、そういうことにしておくしかないだろうこともわかってはいる。だが、本当に気付いていないんだな、と思うと切なくなるのも事実なのだ。 (あんな、小さなケーキであれだけ笑ってくれるなら) 自分がちゃんとしたケーキをプレゼントしたとき、彼女はどんな笑顔を見せてくれるのだろう。今はまだ無理でも、もう少し大きくなって、彼女に立派なバースデーケーキを作れるようになったら。 (そのときには・・・) この想いを告げられるぐらいの勇気を持てるようになりたい。ナナリーがプレゼントに、と編んだ花輪を頭に乗せて笑うスザクを見つめながら、ルルーシュは優しい気持ちでそう思った。 ―――――― ルルーシュが乙女? え、それってデフォルトですよね?(笑) というか、ルルーシュってロマンチストですよね。 ルルーシュは現実主義のロマンチシスト。スザクは理想主義のペシミスト。 ・・・なんとなくそんなイメージがあるんですよね。 PR この記事にコメントする
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